多くの人が経験することなのに、意外に知らないのがお墓のことですよね。自宅の近くに、お墓があればいいのですが、遠方だとお墓参りもなかなか行けないですし…。

それで、気付けば無縁墓(むえんばか)のようになってしまったり…。いずれにしても、無縁墓を放っておくと、どうなるのか気になってしまいますよね。

そこで、どれぐらい放っておくと、お墓が撤去されてしまうのかなど、お墓について色々と紹介しますので、参考にして下さい。

無縁墓でも撤去されない?

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そもそも無縁墓とは、どういう状態のことなのか、ちゃんと分かっていないといけないですよね。でも、実は明確に定義されている訳ではないのです。ただ、一般的には、下記のような感じです。

■ 無縁墓とは

【継承】
何らかの理由で、お墓を継承しなかった場合。

【管理料】
お墓を継承したけど、年間管理料(墓地管理料)を何年も納めなかった場合。

要するに、管理者がいなくなったお墓のことです。

お墓は、お寺や霊園が管理していますけど、その管理者が「無縁墓」と認定してしまうと、お墓を片付けられる(撤去される)ことがあります。

でも、「それは、おかしい!」と思う人は多いでしょうね。

何故なら、「墓地は買ったものだから、勝手に撤去するなんて出来ないハズ」と考えてしまうのが普通ですから…。そのように考える人のイメージは、下記のような感じですよね。

「墓地を購入 = 土地を購入」

でも、そこが大きな勘違いなんです。墓地を購入しても、その土地は、あくまで管理しているお寺や霊園の所有物なんです。

だから、墓地を購入した人は、お墓を建てた土地を借りているだけなのです。その借りる権利のことを「永代使用権(えいたいしようけん)と言います。そして、永代使用権を得るために支払う料金のことを「永代利用料」などと呼んでいます。

その永代利用料は、お墓を建てるとき、最初に支払うだけなので、多くの人が土地を購入したような錯覚をしてしまうようです。

という訳で、お墓の土地は、お寺や霊園の所有物なので、墓地を購入した人(又は継承した人)から年間管理料の支払いが何年間もなければ、お寺や霊園は、墓地を購入した人に連絡をしたり、立て札でお知らせをします。

そのような対策をとっても、年間管理料の支払いが無ければ、無縁墓と認定されてしまいます。

ちなみに、その判断をする期間は、各自治体の霊園条例によって違いがありますが、概ね3~10年の期間が定められています。例えば、東京都の霊園条例であれば、「管理料を5年間納めないとき」となっています。

従いまして、その期間を過ぎても年間管理料を支払わなかった場合は、永代使用権が剥奪されてしまいます。そうなると、お寺や霊園は、お墓を撤去してしまう可能性があります。

ただ、お墓を撤去されて、さら地にされてしまう場合もあることにはあるのですが、そのような処置を取るのは、比較的都心に近い墓地の場合です。

お墓を撤去するには、それなりの費用が必要になります。公営墓地であれば、その費用は税金でまかなわれますけど、民間の霊園や寺院墓地の場合は、全て霊園やお寺が費用を負担しなければなりません。

しかも、お墓の中に埋葬されている遺骨の処分もしなければならないので、ほとんどの墓地は撤去されずに、無縁墓として、そのまま放置されているのが現状です。

お墓を撤去して、さら地にするようなお墓は、次にお墓を建てたい人が待っているような、立地の良いところに多くみられます。

ちなみに、永代使用料や年間管理料は、管理者によって違いはありますが、概ね下記のような感じです。

【永代使用料(1平方メートルあたり)】
・東京都23区内:100万円~200万円
・東京都下:20万円~100万円
・その他の地域:5万円~20万円

【年間管理料】
・寺院墓地:3,000円~15,000円ぐらい
・公営墓地:3,000円~10,000円ぐらい
・民間霊園:3,000円~15,000円ぐらい

(墓地や霊園のある場所や、利便性やサービスなどによって金額が異なります。)

という訳で、自治体で定められている期間を過ぎても、年間管理料を支払わなければ、無縁墓と認定されて、お墓を撤去されてしまうことがあるということです。逆に言えば、年間管理料を納めてさえいれば、無縁墓にはなりません。

だから、お墓参りを一切せず、墓石が欠けてボロボロになっていたとしても、年間管理料を支払ってさえいれば、無縁墓にはならないということです。

なお、いずれ子供が継承者になるハズなので、子供がいれば無縁墓にはならないと思っている人もいるようですけど、そうとは言い切れないことは、もうお分かりですよね。

ただ、お墓の継承に関しては、それぞれの家庭によって様々な事情があります。例えば、お墓を次いでくれる人がいない、または、お墓を継がせたくないということもあります。

そのような場合、お墓をどうすべきなのか分からないですよね。次の項目では、その辺りのことを解説していますので参考にして下さい。

お墓を継がない場合は?

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お墓の継承に関して、各家庭によって事情が違います。例えば、「お墓の管理は、自分の代で終わらせたい」「子供には継がせたくない」「子供は別の宗教を信仰しているので、お墓を継げない」など様々な事情があります。

そのため、お墓の継承に関して、一概にこうすべきとは言えません。

特に問題もなく、子供が継承するのでればいいのですが、継承しない・させないという場合は、色々と考えなければいけません。

ただ、自分ひとりで決断してしまうと、家族間でトラブルになる可能性もありますので、まずは、家族や親戚に相談することが大切です。

【無縁墓(むえんばか)】
自分は、お墓に入りたいと思っている。でも、自分が死んだ後は、お墓を撤去してもいいと思っているのであれば、無縁墓にすることになります。

【合葬(がっそう)】
自分は、お墓に入りたいと思っているし、無縁墓はイヤだということであれば、その旨を家族など縁故者に頼んで、自分の死後の希望を聞き届けてもらいます。ただ、誰の手もわずらわせたくないのであれば、自分の死後数年分の永代使用料と改葬費を、墓地の管理者に先払いしておきます。そして、権利が切れると、墓地もしくは霊園に合葬にしてもらい、墓じまいをしてもらいます。

上記の【合葬】の中で出てきた「墓じまい」とは、墓石を撤去・処分して片付けることです。当然、遺骨を取り出して、別のところに移すことも含みます。

要するに、「墓じまい」とは、お墓を無くして平地にするということです。引っ越しをするときなども、墓じまいをすることがありますので、お墓の引っ越しに関することも知っておけば、いざというとき役立ちます。

という訳で、次の項目では、墓じまいとお墓の引っ越しの手順について、簡単に説明させて頂きます。

墓じまい・引っ越し(改葬)の手続き

遠方に引っ越すような場合、今あるお墓が遠くなってしまい、お墓参りなどが不便になってしまうことがあります。そのような場合、今のお墓を撤去して、別の場所に、新しいお墓を作った方が便利だと考えますよね。

そのような感じで、お墓を引っ越すことを「改葬(かいそう)」と言います。その改葬の手順は、下記の通りです。

■ 墓じまいと改葬の手順

①家族・親類と相談
改葬する理由や、改葬先の埋葬の仕方などをよく相談します。

②新しいお墓を決定
埋葬方法やなどが決まったら、新しいお墓を探します。

③墓地管理者と相談
今のお墓の墓地管理者と改葬の相談をします。

④手続きをする
今のお墓の墓じまいの手続きと、新しいお墓の改葬の諸手続をします。

⑤墓じまいをする
今の墓地管理者に改葬許可証を提出して、遺骨を取り出します。その際、閉眼法要(墓石に宿った仏様の魂を抜き取る法要)を希望するのであれば、それも行います。

⑥遺骨の安置
お墓から取り出した遺骨を自宅などに安置します。

⑦法要
開眼法要(お墓に魂を入れる法要)や納骨法要(お墓に遺骨を納める時に行う法要)を希望するのであれば、それを行います。

⑧納骨
自宅などに安置していた遺骨を、新しいお墓に埋葬します。

改葬の手順で、家族や親類と相談することが一番初めに来ていますが、これは、トラブルなどを避けるためでもありますが、法律上の理由からもそうすべきなのです。

法律では、「遺骨の所有権は、慣習に従って祭祀(さいし)を主催すべき者に帰属する」となっています。最高裁判所の判例によれば、祭祀主催者の同意を得ずに、遺骨をお墓から取り出した場合、窃盗罪などの罪に問われる可能性もあります。

まとめ

お墓に関することは、全く分からないという人が大勢いますので、今回は、無縁墓・墓じまい・改葬に絞って情報をご紹介しました。

知っているのと知らないのとでは、いざというときの対応が全く異なりますから、何がどうなれば「無縁墓」になるのかぐらいは知っておきましょうね。

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