どうも!ユウポンです。

私は、ブログを公開しているからには、著作権には気を付けなければと思っていますので、前回の記事(著作権が消滅している曲でもCDをコピーしてはいけないの?)でも著作権に関するお話しを紹介しました。

ただ、著作権に関しては、あまり知られていない情報がたくさんありますので、今回も著作権に関連するお話をさせて頂こうかと…。

という訳で、今回は「著作権の登録制度」のお話です。

著作権は、わざわざ登録しなくても、著作物を創作した時点で自動的に発生する権利です。だから、登録制度があるって聞くと「どうして?」ってなりますよね。実は、著作権は登録しておいた方が、お得なんです。その辺りのお話をさせて頂きますので、どうぞご覧下さい。
 


※今回の記事中の情報は、以下の①~⑤の文献を参考にしています。

【参考文献】  

①著作権法概説(法学書院)
②その論文は著作権侵害?(中山書店)
③ちょっと待って、そのコピペ!(実業之日本社)
④もう知らないではすまされない著作権(中央経済社)
⑤そこが知りたい著作権Q&A100(CRIC 著作権情報センター)


 
Sponsored Link

著作権を登録するメリットはあるの?


著作権は、曲や本を公表した時点で、自動的に著作権が発生します。だから、「著作権のあるモノを作りましたよぉ~」と公言しなくても、何かあった場合、著作権を主張することが出来ます。

でも、著作物には登録制度が設けられています。

ただ、著作権の登録制度には、登録の義務はありません。しかも、登録料が必要になります。そのため、何かメリットがなければ誰も登録しないですよね。

登録料の話は、後の章で説明しますけど、実は、著作権を登録しておくと、色々とメリットがあるんです。

■ 著作権登録のメリット

著作物を創作した人の中には、実名を公表したくないという人もいます。あと、実名を公表したくない訳じゃないけど、仕事上はお気に入りの芸名やペンネームを使いたいという人もいます。

逆に、実名を使う人もいます。これは本人の考え方や好みの違いでもある訳ですけど、著作権のことを考慮すると、後々になって差が出てくる場合があります。それは「著作権の保護期間」です。

①著作権の保護期間

上記でも少し触れましたけど、著作権を登録しなくても、自動的に著作権は発生します。その場合、著作物を公表した時点から50年間は著作権が保護されます。

でも、実名で著作権を登録すると、著作者の死亡後50年間は著作権が保護されることになります。

ちなみに、著作権の登録は、実名でなくても構わないのです。だから、匿名やペンネームで登録することも出来ます。ただ、その場合は著作権を登録しなときと同じで、著作権の有効期間は、著作物を公表した時点から50年間となります。

■ 著作権の保護期間の違い

  • 実名で著作権を登録した場合:著作者の死亡後50年間は著作権が保護される
  • 実名以外で著作権を登録した場合:著作物を公表したあと50年間は著作権が保護される
  • 著作権の登録を全くしない場合:著作物を公表したあと50年間は著作権が保護される

 

 
上記でご紹介したのは、一般的な著作物(書籍や楽曲など)に関する情報なのですが、映画の著作物に関しては少し違っています。映画の著作物の場合は、公表後70年間が著作権の保護期間となります。もし、創作後70年以内に公表されなかった場合は、創作後70年間が著作権の保護期間となります。

ところで、実名以外で著作権を登録した場合と、著作権を登録しない場合とでは、著作権の保護期間は全く同じですよね。

でも、著作権を登録しておけば、法律上の権利を主張することが出来るので、何かあったとき、登録しておいた方が有利になります。それは、著作者が複数の人に著作物を譲渡した場合です。詳しくは、下記をご覧下さい。

②著作権の権利行使(著作物を二重譲渡した場合)

Aさんは、本を一冊の書きました。でも、Aさんは、BさんとCさんに、その本の著作物を譲渡しました。ただ、Bさんは、その本の著作権をスグに登録したのですが、Cさんは著作権を登録しませんでした。

そして、BさんとCさんは、その本を出版しようとしました。すると、Cさんは、Bさんに「著作権は自分のモノだ」と主張して、Bさんに本の出版を取りやめるように言いました。

でも、Bさんは著作権を登録していましたので、その本の著作権はBさんのモノです。だから、著作権を登録していないCさんは、Bさんの著作権を無視して本を出版することは出来ません。

という訳で、著作権を登録していたBさんは、Cさんの主張に邪魔されることなく、無事に本を出版することが出来ました。(著作権法77条を参考)

■著作権の権利者

  • Bさん:著作権の登録をしるので、Cさんに著作権を主張できる
  • Cさん:著作権の登録をしていないので、Bさんに対抗できない

 

著作権は登録しなくても、通常は著作権を主張できますけど、上記のように二重譲渡していたような場合は、著作権を登録しておかないと、後々大変なことになる場合もあるということですね。

 
ところで、著作権の登録って、いくらぐらいの費用が必要なのか想像できますか?それでは、次の章で費用について説明しますね。

著作権登録の費用は高いの?


著作権を登録するときや、著作権の登録を抹消するときなど、それぞれ費用が掛かります。

平成27年に文部科学省が発行した「登録の手引き」を見ると、様々な項目に分かれていて、色々と書かれているのですが、ここでは、著作権の登録に関するモノだけをピックアップしてご紹介しますね。

■ 著作権登録に関連する費用

  • 実名の登録:9,000円
  • 著作権の移転の登録:18,000円
  • 登録の抹消:1,000円
  • 登録の更正:1,000円
  • 変更の登録:1,000円
  • 抹消した登録の再登録:1,000円

 
この金額が高いのか安いのかは、人によって感じ方は違うと思いますけど、特許を申請する場合であれば、総額で10万円以上は必要になります。ちなみに、実用新案の場合は6万円前後の費用が必要になります。

それを考えると、著作権の登録は激安ですよね。著作権を登録しなくても著作権は発生しますけど、何か問題が起きた場合、法的に守られている方が安心できますから、9千円で安心が買えるなら安いモノのようにも思うのですが…。

なお、著作権を登録するメリットは、上記で紹介しましたけど、著作権を主張する場合というのは、何か問題が起きたときに限られますよね。

それに、書籍や曲などを創作すれば、その時点で著作権は発生するのですから、わざわざ著作権を登録する人って、どれぐらいいるのか気になってしまいました。

それで、その辺りのことも調べてみましたので、次の章でご紹介しますね。

Sponsored Link

著作権を登録する人は多いの?

著作権に関連する登録件数ですけど、文部科学省の資料を見ると、2015年度までのデータしか見当たりませんでした。

■ 著作権課に対する登録申請件数(2015年)

  • 実名の登録:53件
  • 著作権の移転の登録:155件
  • 登録の抹消:99件
  • 登録の更正:3件
  • 変更の登録:1件

 
書籍や楽曲など、新しい著作物が次々に創作されていますから、世の中にある著作物は数え切れないほどです。それを考えると、上記の登録件数は非常に少ないといえるのではないでしょうか。

著作権に関する申請件数が少ないのは、著作権は登録が必須ではないですし、著作権の登録そのものを知らない人や、ビジネスをする上で必要性を感じない人が多いからかも知れないですね。

ということは、著作権の登録制度については、再考の余地があるようにも思うのですが…。

それより、少し話は反れてしまうのですが、私は少し気になったことがあります。それは「引用」についてです。

私は、当ブログで記事を書く際、書籍を参考にすることが多いので、書籍の文章の一部を引用させてもらったりしています。そのため、引用は著作権の侵害にあたるのか気にならないハズが無い訳でして…。

それで、引用が著作権の侵害に当たるのかも調べてみましたので、次の章でご紹介しますね。

引用は著作権侵害になるの?


引用とは、自分の文章の中で、他人のサイトや書籍の文章の一部を用いることです。このようなことが著作権侵害に当たるのかは、ブログなどを運営している人や、本を出版しようとしている人は気になりますよね。私も、物凄く気になります。

それで、判例などを調べてみたのですが、単なる引用は著作権の侵害には当たらないようです。判例では、著作権侵害が成立するには、下記の2点が満たされている場合となっていました。

■ 著作権を侵害する要件

①依拠性(いきょせい)
作品が、既存の著作物を利用して作り出されたものであること。

②類似性(るいじせい)
両者における表現が類似していること。

 
依拠性とは、既存する他人の著作物を利用して創作することです。だから、他人の作品と偶然似ていても、他人の作品を利用して作成したのでなければ、著作権侵害には当たらないということです。逆に言えば、著作権侵害を訴えたければ、作品を利用したという証拠を提出しなければならないということですね。

類似性に関しては、単にアイデアが似ているというだけでは、類似とは言えないということのようです。例えば、下記のような裁判がありましたので、ご紹介しますね。

■ 【判例】ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー事件

著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいうと解するべきであるから、既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたず、(中略)既存の著作物と同一性のある作品を作成しても、これにより著作権侵害の責に任じなければならないものではない。

(判例より抜粋)

上記の文章は、判例をそのまま抜粋したモノですから、表現が難しくて分かりにくいですよね。だから、分かりやすく簡潔に説明すると、次のようになります。

この事件の場合、両者の作品が似ているとしても、一方が作品をパクった(真似た)と証明する証拠がないので、著作権の侵害には当たりません。だから、著作権を侵害してはいないので、賠償責任も生じないということです。

 
この事件は、被告が作曲した「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」が、ハリーウォレンが作曲した「夢破れし並木路(The Boulevard of Broken Dreams)」を複製したものかどうかが争われた裁判です。裁判の途中経過は割愛しますけど、最高裁の判決理由は、下記のようなものでした。

「日本では『夢破れし並木道』は有名ではなく、ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョーの作者は、それを知らないのも自然なことである。そのため、知らない曲の複製行為が成立するはない。よって、著作権侵害の問題が発生する余地は無い」

著作権侵害と言えるには、偶然の一致ではダメで、既存の作品を利用して作成したのでなければならないということですから、複製は認められず無罪になったという訳です。

要するに、内容が偶然同じであっても、複製したと立証できない限り、著作権侵害には該当しないということですね。少しでも他人の作品と似たモノが著作権侵害にあたるとなれば、自由な創作活動が出来なくなってしまいますから、このような判決は妥当なのかなとも思います。

でも、似たような作品を作られた側にしてみれば、納得し難いことでしょうけど…。

という訳で、著作権侵害で訴える場合、複製した証拠を提示しなければいけないようですから、著作権侵害で勝訴するのは、かなり難しそうですよね。

ちなみに、「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」と「夢破れし並木路(The Boulevard of Broken Dreams)」を聞き比べてみたのですが、私には複製したとは思えないのですが…。

2つの曲を知らない方は、聞き比べてみて下さい。

■ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー

■夢破れし並木路(The Boulevard of Broken Dreams)

最後に

著作権を登録するメリットや、著作権にまつわる情報をご紹介しましたけど、いかがでしたでしょうか。

著作権に関しては、今後ますます厳しくなることはあっても、規制が緩められることはないと思いますので、基本的なことは押さえておいた方がいいでしょうね。

私も、その辺りは注意するようにしてブログを更新していきますので、またご訪問下さいね。

Sponsored Link