昔から、身長を伸ばしたいなら「牛乳」をたくさん飲めばいいと思われてきました。しかし、牛乳を飲んだからといって、身長が伸びる訳ではないのです。
昭和の頃から、学校の給食では、毎日「牛乳」が出ていました。でも、背が高い子供ばかりじゃないですよね。
それだけを見ても、「牛乳 = 背が伸びる」ではないことは明白かと…。
という訳で、牛乳を飲んでも背が伸びない理由について、ご紹介していきます。ぜひ、参考にして下さい。
牛乳を飲んでも身長は伸びない
骨を作る栄養素を大きく分けると、「タンパク質」と「カルシウム」の2つになります。その2つの栄養素の働きは似ているのですが、少し違いがあります。
タンパク質は骨の材料で、骨を作って骨を伸ばす働きがあります。しかも、骨の成長に絶対必要な「成長ホルモン」の分泌を促す作用もあります。
【カルシウム】
カルシウムは。骨を強くする栄養素です。ただ、タンパク質のように、骨を伸ばす作用はありません。
牛乳には、カルシウムが豊富に含まれていますけど、上記の説明で、牛乳ばかり飲んでいても、背が伸びないことはお分かり頂けたかと…。
骨を強くするというのは、そういうイメージです。厳密に言うと違うのですが…。
ただ、棒の一番上まで粘土を付けると、それ以上高い所に、粘土はくっつけられないですよね。棒がないのですから…。でも、棒を伸ばせば、また粘土をくっつけていくことができます。
タンパク質で骨を伸ばすというのは、棒を高くするのと同じイメージです。要するに、棒がタンパク質で、粘土がカルシウムです。
だから、カルシウムを摂れば、骨は強くしっかりとしてきますけど、骨を伸ばす作用はないので骨は伸びないのです。
例えが良くなかったかも知れませんが、タンパク質をしっかり摂って、骨を伸ばしていかなければ、いくらカルシウムを摂っても、身長アップには繋がらないということです。
だからといって、カルシウムが不必要な訳ではありません。
骨を伸ばすタンパク質と、骨を丈夫にするカルシウムを充分に摂取してこそ、はじめて健康的に背を伸ばすことができるのです。
しかし、牛乳にはタンパク質も含まれています。
そのため、牛乳に身長アップの効果がないとは言い切れないのですが、1日に1リットル以上など過剰に牛乳を飲むと、満腹感で食欲が無くなったり、肥満の原因になることもあります。
肥満になると成長ホルモンの分泌が減少していしまいます。
成長ホルモンの分泌が少ないと、身長が伸びにくくなりますので、成長ホルモンの分泌を阻害するようなことは絶対にしてはならないのです。
という訳で、牛乳を過剰に飲まなければ、身長アップを阻害することはないのですが、身長を少しでも高くしたいがために、必要以上に牛乳を飲むと、身長の伸びが悪くなるという訳です。
海外では、肥満防止のために、学校給食から牛乳を外していると学校さえあるほどです。
この記事のページタイトルは、「牛乳を飲むと身長が伸びない」としていますけど、牛乳を飲み過ぎると、身長が伸びにくくなるという意味です。
ただ、身長が低いお子さんを持つ親御さんは、牛乳を必要以上に飲ませる傾向がありますので、注意喚起のために、少し過激なページタイトルにさせて頂きました。
という訳で、ここまで説明すれば、タンパク質が不足していると、背が伸びないことはお分かり頂けたかと思います。
しかし、タンパク質をしっかり摂っていても、最終的な身長は「遺伝」で決まってしまうので、せっせとタンパク質を摂っても、「背が低いことには変わりないのでは…」と思ってしまいますよね
そこで、身長は遺伝だけで決まるのか…、その辺りのことを次の項目で説明させて頂きます。
身長は遺伝で決まるのもウソ?
「自分の身長が低いのは、親の身長が低いから」という話はよく聞きますよね。しかし、身長が高い子供の親は、全員身長が高いでしょうか?
そんなことはないですよね。
あと、同じ親から生まれた子供でも、身長に大きな違いがあることも珍しいことではないですよね。
そのような事実からも分かるように、身長は、親から受け継いだ「遺伝」だけで決まるものではありません。親から受け継いだ遺伝は、あくまで「そうなりやすい体質」を受け継いだだけのことです。
そのため、いかにして成長を促す生活を送るかということが大切な訳で、最終的な身長は、生活習慣(環境)が大きく左右するのです。
という訳で、繰り返しになりますけど、身長は遺伝だけで決まるものではありません。
という訳で、親の身長が低いからといって、身長アップを諦める必要はありません。ただ、カルシウムなどをしっかり摂って、身長アップを図ると同時に、身長アップを阻害するものを排除することも大切です。
そのため、次の項目では、身長アップを邪魔するモノは何かを説明していきます。
身長アップを阻害するモノとは?
身長アップに絶対欠かせないモノとして、上記で成長ホルモンの分泌が大切であることを少し説明させて頂きました。
成長ホルモンの分泌量が少なくなるような生活習慣を送っていると、背は伸びにくくなりますので、そのような生活習慣も、身長アップを阻害するものといえます。
ただ、成長ホルモンに関しては、次の項目でご説明させて頂きますので、ここでは栄養素についてお話しさせて頂きます。
身長を伸ばすために必要な栄養素としては、カルシウムの他に、「亜鉛」や「マグネシウム」などのミネラルがあります。
それらのミネラルには、成長ホルモンを促す作用がありますので、身長アップには欠かせない栄養素なので、それらが不足するような生活習慣は改める必要があります。
その改めるべき生活習慣とは、食品添加物を多く摂ってしまうことです。
ハムやソーセージなどの加工食品や、市販の缶ジュース・清涼飲料水・ハンバーグなどにも、食品添加物が多く含まれています。
それらの加工食品に含まれている添加物の一部(リン酸塩・フィチン酸など)は、体内や食品中にある身長アップに欠かせない栄養素(カルシウム・亜鉛・マグネシウム)を、体外に追い出してしまうのです。
なぜ、そのような食品添加物が使用されるのでしょうか?
それは、食品添加物を使用すると、食品を作りやすいからです。だから、子供の発育には有害であっても、発がん性さえなければ、堂々と使われているのが食品添加物の現状です。
ただ、あらゆる加工食品に食品添加物は使用されていますので、それから逃げることは難しいとも言えます。
しかし、調理方法を工夫すれば、食品添加物を取り除くことは意外に簡単ですから、少しの手間を惜しまないことが大切です。
それでは、いくつかの加工食品の食品添加物の除去法をご紹介します。
カップに熱湯を注いで置いておきます。そして、約1分後に、お湯を全て捨てます。そして再度、熱湯を注いで通常通りに作って下さい。これだけで、かなりの添加物を排除することが出来ます。
【袋入りラーメン】
まず、スープを作ります。そして、スープを作っている鍋とは別のところで、麺をゆでます。そして、麺がゆで終わったらザルにとて、お湯を切ります。その後、スープに麺を入れます。要するに、やっていることはカップ麺と同じです。
【ゆでて袋に入れられているうどん】
スーパーなどで売られているうどんの中には、歯ごたえを良くするために「リン酸塩」を使っているものがあります。そのため、ゆでこぼしてから使うようにしましょう。
【ハム】
お湯に15秒ぐらい付けてから、食べるようにして下さい。15秒ぐらいであれば、味などに全く影響は出ません。
【かまぼこ】
薄く切って、しゃぶしゃぶのように、お湯にさっとくぐらせます。
【市販の総菜】
ほうれん草やワカメがたっぷり入った味噌汁を添えると、カルシウムや食物繊維などが、塩分やリン酸塩の影響を防いでくれます。
という訳で、商品添加物は、カルシウムなどの必要なミネラルを、体外に排出してしまいますので気をつけましょう。
次の項目は、背を伸ばすためには、かなり重要な「睡眠」についてです。何時に寝ると身長が伸びやすいのか、なぜ睡眠が大切なのかなど、身長アップに関して、かなり重要な話になりますので、ぜひ参考にして下さい。
よく寝ると身長が伸びる?
身長を伸ばすためには、成長ホルモンを多く分泌させることが大切で、成長ホルモンの分泌量が少なければ、身長は伸びにくくなります。
その成長ホルモンの分泌量は、時間帯によって異なるのですが、一番多く分泌されるのは夜10時~深夜2時の間です。その時間に寝ると血液中の成長ホルモン濃度がピークに達します。
ただ、何もせずに、その時間になれば多く分泌されるのではなくて、その時間にグッスリと寝ていれば、成長ホルモンは大量に分泌されるのです。
だから、その時間帯に起きていると、せっかく身長アップできるチャンスがあるのに、みすみすチャンスを逃しているようなものです。
あと、睡眠は「骨休め」としても大切なのです。
昼間は、上半身の体重がズッシリと下半身の骨にかかっています。しかし、横になって寝ていれば、縦方向の重力から解放されて、骨を休めることになります。
しかも、立っているときより、横になっているときの方が、成長ホルモンの分泌量も多くなります。だから、身長は、寝ている間に伸びるといっても過言ではないと言えます。
私は、身長が182センチあります。でも、中学1年生までは、前から数える方が早いぐらいの身長でした。それが、中学2年生になってから、急に背がグングン伸び始めました。
私は、中学1年でクラブをやめていましたし、中学2年になってからは、特に運動などはしていませんでした。やっていたことといえば、寝ることだけです。とにかく、いつも眠たくて、暇さえあれば寝ていました。今思えば、あの膨大な睡眠量が身長アップにつながったのではないかと思っています。
という訳で、身長を少しでも伸ばすためには、睡眠をしっかり取ることが絶対に必要なのです。
ところで、身長はいつまで伸び続けるのかご存じですか。人間の身長の伸びは、必ずいつかストップします。そのため、身長アップの対策を立てるのであれば、身長の伸びが止まるまでに行わなければいけないのです。
次の項目では、身長の伸びがストップする時期や、その時期を少しでも遅らせる方法をご紹介します。
身長はいつまで伸びる?
思春期になれば、身長が大きく伸びます。そのため、すぐに服のサイズが合わなくなったりしますよね。でも、思春期の身長の伸びは、あまり個人差はなく、誰でもグングン背は伸びていくのです。
そして、その後は、身長の伸びはストップします。要するに、生まれてから思春期が終わるが、身長の伸びる時期ということです。
つまり、思春期は、身長が伸びるラストスパートという訳です。
逆に、思春期を迎えるのが遅かった子供は、身長の伸びる期間が長いのですから、当然身長は高くなります。
例えば、日本人と欧米人を比べた場合、日本人の方が早く思春期を迎える傾向にあります。
そのため、小学生ぐらいまでは、日本人と欧米人の身長差はあまりないのですが、それ以降は、思春期が遅い分だけ、欧米人の方が身長が伸びていくということになります。
そのことからも分かるように、出来るだけ思春期は早く迎えない方が、身長アップには良いということです。
ただ、思春期を迎える時期は、遺伝の影響が多いので、人為的に遅らせるのは簡単ではありません。でも、出来るだけ早まらないようにすることは出来ない訳ではありません。
それは、思春期を早く迎えない生活習慣を送ればいいのです。
思春期が早まってしまう子供には特徴があります。それは、「早く大人になりたい」と思っているということです。早く大人になりたいと思い続けていると、本当に早く思春期が来てしまうのです。
- 家庭内で夫婦喧嘩が絶えない
- 学校生活でイヤなことが多い
- 兄や姉をライバル視している
上記のような環境にいると、子供は早く大人になりたいと思うようになります。すると、思春期が早まる傾向が強くなります。
思春期が始まる時期は、男の子は11歳半頃で、女の子は10歳ぐらいです。これが、日本人の平均的な思春期の始まりです。
あと、思春期を遅らせる薬もあります。それは、メラトニンです。
そのメラトニンには、性ホルモンの分泌を抑える作用がありますので、メラトニンを投与すると、思春期を迎える時期を遅らせることが出来ます。
ただ、メラトニンは薬ですから、日本では医薬品として扱われています。そのため、メラトニンは、医師の診察を受けてに処方してもらうしか、手に入れる方法はありません。
そのため、身長の低さが気になっているのであれば、小学生のうちに専門医に相談すれば、メラトニンを処方してもらえます。
ちなみに、海外ではメラトニンを含んでいるサプリメントが販売されています。
そのため、個人輸入すれば、病院へ行かなくても、メラトニンのサプリメントを手に入れることは不可能ではありません。
ただ、そのサプリメントが本当に大丈夫な商品であるかは、素人には判断できません。そのため、専門医に相談して、メラトニンを摂取するのが良いでしょう。
最近は、ニセモノのサプリメントが横行していますからね。
まとめ
という訳で、身長が低いお子さんをお持ちの親御さんに向けて、いくつかの情報をご紹介させて頂きました。
いずれにしましても、身長アップを邪魔するモノは、出来るだけ除外するように、親御さんが生活環境を整えてあげる必要があるということです。
それまでの生活スタイルを変えるのは、簡単ではないかも知れませんが、それが出来るのは、親御さんしかいません。
そのため、食事・睡眠など、色々な面を考慮して、少しでもお子さんの身長が伸びるようにサポートしてあげて下さい。