どうもどうも!ユウポンです。
先日、孫と一緒に動物園に行ってきました。そのときは、ただ見てるだけだったのですが、家に帰って動物図鑑を見ていると、カモノハシに目が止まりました。
何故なら、カモノハシに毒があるようなことが書いてあったからです。
それで、本当にカモノハシには、本当に毒があるのか…など、色々と調べてみましたので、今回はその辺りのことを色々とご紹介させて頂きますね。
※今回の記事中の情報は、下記の文献を参考にしています。
【参考文献】
①動物の不思議 監:成島悦雄(ナツメ社)
②日本の哺乳類 著:小宮輝之(学習研究社)
③日本の哺乳類学 著:本川雅治(東京大学出版会)
カモノハシには毒があるの?
カモノハシは、大人しそうに見える動物ですから、毒など持ってなさそうですよね。でも、書籍などで調べてみると、カモノハシは毒を持った動物だということが分かりました。
カモノハシの後ろ足には「けづめ」と呼ばれる爪があって、その爪から毒を出します。子供の頃は、オスもメスも「けづめ」があるらしいです。でも、メスの「けづめ」は、発育中に脱落して無くなってしまうんだそうです。
ちなみに、カモノハシのオスの太ももの中には、「毒腺」と呼ばれる袋があって、そこに溜めた毒を爪の先から出して、相手に注入させます。
カモノハシの毒は、血液を固めて、呼吸や心臓の機能を停止させる作用があって、小動物でれば、死なせることが出来るほど強力らしいですョ。
人間がカモノハシの毒を注入されたときの症状ですけど、かなり強い痛みを感じるらしく、薬では痛みを治めることはできないそうです。ただ、人間が、カモノハシの毒で死亡したという報告はありません。
ですから、人間の場合は、カモノハシの毒で死に至ることは無いとされています。
なお、カモノハシが毒を持つようになったのは、オス同士が繁殖期にメスを奪うためだと言われています。その理由は、以下の2点から、そのように考えられているそうです。
- オスだけが毒を持っている
- 繁殖期間に毒の生産量が増加する
ただ、縄張りに侵入してきた敵に対して、交戦する際に使われるとも考えられてるようです。
という訳で、カモノハシは、繁殖期にメスを奪い合うとき、けづめの毒を使って戦うのですが、オス同士の戦いのために、何故そんなに強い毒が必要なのかは、まだ解明されていないそうです。
もしかすると、相手を殺してでもメスを奪う生命力がなければ、子孫を増やしていけないということなのかも知れないですね。
それでは、次の章では、カモノハシの毒そのものについて、もう少し詳しく説明させて頂きますね。
カモノハシの毒について
カモノハシの毒は、他の動物の毒とは似ていないタンパク質の混合物です。その主な成分は、βデフェンシンとして知られている抗菌ペプチドの構造に似ているそうです。抗菌ペプチドとは、殺菌作用を発揮する物質のことです。
カモノハシの毒の特徴は、痛みが激しいだけでなく、痛覚過敏(僅かな刺激でも強い痛みを感じる症状)が長く続くことです。その期間は、数日~数ヶ月に及ぶこともあるとされています。
人間は、カモノハシの毒で死ぬことはないようですけど、カモノハシの毒を犬の静脈に注射すると、死に至らしめることが出来るとされているそうです。
なお、カモノハシの毒と、ヘビの毒を比較すると、ヘビの毒の方が、はるかに病原性が高いようです。ただ、どちらも同じような不快感(痛みなど)をもたらします。
いずれにしましても、カモノハシの毒はかなりの痛みを伴いますから、もし、カモノハシを触るチャンスがあっても、後ろ足の「けづめ」には気を付けないと、大変なことになりますから注意が必要ですね。
という訳で、カモノハシは強力な毒を持っているのですが、ほとんどの哺乳類は毒を持っていません。
そこで、参考までに、毒を持っている哺乳類を次の章でご紹介させて頂きますね。
毒を持っている哺乳類は?
哺乳類は、ほとんどが毒を持っていないとされています。ですから、カモノハシは、毒を持っているというだけで、哺乳類としては、かなり珍しい存在ということです。
ただ、他にも毒を持っている哺乳類はいます。例えば、トガリネズミやハイチソレノドンは、口の中に毒を出す部分があります。昆虫などを食べたとき、毒の混じった唾液で弱らせるようです。
他には、モグラの唾液にも毒があります。モグラも毒を含んだ唾液で、獲物を弱らせます。ちなみに、ヨーロッパモグラは、毒で麻痺させたミミズを、大量に貯蔵するという習性があります。
あと、スローロリスという種類のサルも毒を持っています。
スローロリスは、ヒジに毒の元になる成分を作り出す機能があるそうです。ですから、スローロリスは、ヒジを舐めて、その成分を口の中に含み、唾液と混じ合わせて毒を生成します。スローロリスは、毒を口に含んだ状態で、相手を噛んで気絶させて、敵から身を守るらしいです。
ちなみに、ペット用として売られているスローロリスは、噛みつくための歯を抜いてあるそうです。ですから、噛まれて毒を注入される心配はないようです。でも、歯を抜かれて攻撃が出来ないのであれば、野生には戻れないでしょうね。
今回は、哺乳類に的を絞って、毒を持っている動物をご紹介しました。
哺乳類以外であれば、毒を持っている動物はたくさんいます。例えば、カメの仲間にも、毒を持っている種がいます。
ミツユビハコガメは、カメの中で唯一「毒」を持っている種です。ただ、ミツユビハコガメ自身が、毒を作り出している訳ではありません。ミツユビハコガメは、毒キノコを食べて、その毒を溜めておくそうです。
人間が、ミツユビハコガメを食べてしまうと、中毒になるだけでなく、最悪の場合は死に至る可能性もあるそうです。ですから、かなり強い毒を溜め込んでいるということですね。
毒を持ったカメをご紹介しましたけど、哺乳類以外の毒を持った動物を紹介しだすとキリがないので、今回はカメだけにしておきますね。
最後に
いかかでしたでしょうか。カモノハシは毒を持っていて、その毒にやられると、かなりの痛みを伴いますので、カモノハシを近くで見る機会があっても注意しないといけないですね。
カモノハシを触れるような状況なんて、そんなにないとは思いますけど…。
あと、サルやカメの仲間にも、毒を持っている種がいますけど、まだ毒を持っていることが知られていない動物もたくさんいるような気もします。
ですから、絶対に安全と分かっている動物以外は、むやみに触らない方がいいですね。