老犬の床ずれ防止は2つのポイントを知っておけば大丈夫!

こんにちは!ユウポンです。

私は、メスのトイ・プードルを飼っています。生後3ヶ月で我が家にやってきて、早いもので4歳の誕生日を迎えました。河原に行って散歩をしているとき、リードを放してやると、鳥を追いかけて元気に走り回っています。

でも、知人が飼ってる柴犬は、人間で言うと80歳を越えてるそうです。最近は、寝たきりに近い状態だそうで、部分的に毛が抜けているらしいです。その知人は、老犬なので毛が抜けていると思っていたようですけど、私は床ずれじゃないかと思って色々と調べてみました。

それで、床ずれの予防や対処方法などが分かりましたので、知人に教えてあげました。という訳で、今回はシルバー犬の「床ずれ予防」や「対処方法」などをご紹介させて頂きますね。
 


※今回の記事中の情報は、下記の文献を参考にしています。

【参考文献】  

①老犬生活 完全ガイド 著:若山正之(高橋書店)
②明るい老犬介護 著:児玉小枝(桜桃書房)
③老犬との暮らし方 著:石井万寿美(水曜社)


 

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老犬の床ずれ防止はどうすればいいの?


犬も人間と同じで、寝たきりだと床ずれを起こします。床ずれとは、皮膚の一部が壊死(えし)した状態のことです。そんな風になると、本当に可哀相ですよね。

ただ、床ずれの予防は、そんなに難しいことじゃないので、愛犬が床ずれを起こさないようにするのは、飼い主の責任だと思います。

■ 老犬の床ずれ防止対策

  • ①柔らかい寝床を作る
  • ②ときどき寝返りをさせる

 
床ずれを防ぐ方法は、2つだけです。たったこれだけのことで、床ずれを起こさずに済むのですから、ちゃんとしてあげたいものですよね。

それでは、この2つについて、次の章で詳しく説明させて頂きますね。

柔らかい寝床は、どのようにして作ればいいの?


寝床を柔らかくする方法で、一番カンタンで安価な方法は、梱包材に使われる気泡シート(エアキャップ)を使う方法です。作り方は簡単です。まず、気泡シートを数枚重ねます。そして、寝床とシーツの間に気泡シートを入れます。これで完成です。

気泡シートは、様々な大きさで販売されていますので、値段もまちまちです。私も楽天市場で気泡シートを見てみたのですが、ロール式のタイプが多かったです。1200mm×42mのロールで2千円ぐらいでした。よく探せば、もっと安いモノもあるかも知れません。

>> 楽天市場:気泡シート一覧

あと、気泡シートよりは値段が高くなりますけど、低反発マットもオススメです。最近は、犬用の低反発マットも販売されていますので、愛犬の大きさに合ったモノを選ぶことが出来ます。

犬用の低反発マットも、楽天市場で見てみました。私が見た中では、小型犬用で一番安いモノは780円でした。でも、大型犬用で上等なモノは、2万円ぐらいでした。ただ、色んなタイプが売られていますから、実際に購入する場合は、よく調べた方がいいですね。

>> 楽天市場:犬用の低反発マット一覧

他には、波形のウレタンマットもオススメです。デコボコの波形が体圧を分散してくれますから、床ずれ防止に有効です。こちらも楽天市場をみると、様々なタイプが売られていました。サイズが40センチ四方で2千円ぐらいです。体型に合わせて丁度いい大きさに出来るのがいいですね。

>> 楽天市場:波形のウレタンマット一覧

なお、寝たきりになってしまったとき、注意しておいた方がいい点があります。それは、「排泄物」と「擦り傷」です。

【排泄物】
排泄物がシッポに付くと、拭いたり洗ったりするのが大変ですよね。だから、シッポに粘着性の伸縮包帯をグルグル巻きしておくと、汚れたときに包帯を取り替えるだけなので、お世話が楽になりますョ。ちなみに、粘着性の伸縮包帯は、千円以下で売られています。

>>楽天市場:粘着性伸縮包帯の一覧

 

【擦り傷防止】
寝たきりになっていても足を動かせる場合は、床で足をこすったり、足の爪で他方の足を傷付けたりすることがあります。それを防止するには、靴下を履かせるか、上記と同じように、粘着性の伸縮包帯を足に巻いておくと、傷をつけてしまうことがなくなるので安心です。

 
柔らかい寝床を作る方法は、意外なほど簡単だということはお分かり頂けたかと思います。ただ、いくら柔らかい寝床を作ったからといって、ずっと同じ姿勢のままだと「床ずれ」を起こしてしまいます。

だから、必ず寝返りをさせてあげないといけません。それでは、次の章で「寝返り」について説明させて頂きますね。

寝返りは、どんな風にさせればいいの?


寝返りをさせるとき、寝かせたまま足を持って回転させて、反対の向きに寝かせる人が多いようですけど、これは絶対にしてはいけないことです。寝かせたまま体を回転させると、重力の影響で、正常な位置に納まっている内臓の位置がズレてしまうことがあります。これは、犬にとって、非常に大きな負担なんです。

あと、寝かせたまま寝返りをさせると、食道に溜まっていたものが逆流してしまう可能性があります。そうなると、最悪の場合、気管に入って窒息する恐れがあります。

だから、寝返りをさせるときは、必ず一度抱き上げて上体を起こして下さい。そして、犬のお尻を寝床に置いて、反対の向きにそっと寝かせてあげて下さい。

■ 寝たきり老犬の寝返りのさせ方

  1. 飼い主はヒザを床に付けて中腰になり、横になっている犬の肩と腰の下に手を差し入れて抱き上げる。
  2. 飼い主は正座をして、犬のお尻を飼い主のヒザに乗せ、後ろ足が開かないように片手で犬の両足を持っておく。
  3. 飼い主は、片手で犬の両足を持ったまま、犬のお尻を寝床に置いて、反対の向きにそっと寝かせる。
  4. 犬を反対の向きに寝かせたあと、犬の前足や後ろ足それぞれの重なり具合をみて、圧迫されている部分がないかを確認する。

 
いずれにしましても、寝返りをさせる場合は、両手で犬を抱き上げて「上体を起こす」ということを忘れないで下さいね。

という訳で、柔らかい寝床を作る方法と、寝返りのさせ方をご紹介しました。この2点に注意しておけば、まず床ずれを起こすことはないハズです。

でも、気を付けていても、部分的に毛が抜けてくるなど、床ずれになりそうな場合もあるかとは思います。どんなことでも、100%大丈夫ということはないですからね。

そのため、床ずれになりそうになったとき、どのようにすればいいのか、次の章で「対象方法」をご紹介しますね。

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床ずれの兆候が出てきたら、どうすればいいの?

骨の出っ張っている部分や、肌と寝床が擦れる部分は、床ずれが起きやすい場所です。、寝たきりになった場合、それらの部分に注意してチェックすることが大切です。

もし、毛が薄くなって皮膚が赤くなっていたり、水ぶくれが出来ていると、本格的な床ずれになるまでは、あっという間です。だから、スグに進行を食い止める必要があります。

皮膚が赤くなっている部分や、水ぶくれが出来ている部分は、体の重みで圧迫されて、そのような状態になっている訳です。だから、進行を食い止めるには、そこの部分を絶えず浮かせてあげればいいんです。

患部を浮かせてあげると、血液の流れが良くなって回復していきます。そこでオススメなのが、ドーナツ状の小さな枕です。ペットショップなどでも売っていますけど、自宅でも簡単に自作できます。

そのドーナツ枕は、上記の章でご紹介した「気泡シート(エアキャップ)」と「粘着性伸縮包帯」を使って作ります。

■ ドーナツ枕の作り方

  1. ドーナツ状に切り取った気泡シートを4~5枚作る
  2. その4~5枚を重ねて、粘着性伸縮包帯で止める

 
これなら、誰でも簡単に作れますよね。それを穴が開いている部分に患部がくるようにして、犬の体の下に置くだけです。これで、患部を圧迫させずに済みます。

でも、床ずれの兆候に気付くことが出来ずに、床ずれになってしまう場合も考えられます。ただ、どの程度が床ずれなのかよく分からないですよね。そこで、次の章で、床ずれの進行度合いを説明させて頂きますね。

床ずれは、どんな風に進行するの?


床ずれは、いきなり起こるのではなく、徐々に進行していくものです。だから、飼い主さんは、いつも注意深く観察して、出来るだけ早い段階で床ずれを発見してあげて下さいね。早ければ早いほど、治りも早くなりますので…。

■ 床ずれの進行の仕方

【進行度①】
寝床に当たっている部分の毛が、折れたり切れたりして薄くなります。

【進行度②】
毛がすれてきている部分の皮膚が、赤みを帯びてきます

【進行度③】
皮膚が薄くなって水ぶくれが出来ます。それを触ると、熟れすぎた桃のようにブヨブヨした感じになっています。そして、赤みを帯びていた皮膚は白っぽくなります。

【進行度④】
水ぶくれが取れて、皮膚に穴が開きます。患部からは「滲出液(さんしゅつえき)」と呼ばれるケガを治そうとする液が出始めます。

 
という訳で、床ずれの進行は大きく分けると、上記のような4段階ということです。進行度④は、完全な床ずれです。

もし、完全に床ずれになってしまった場合、どうすればいいのかは知っておいた方がいいですから、その辺りのことは、次の章で説明させて頂きますね。

床ずれになってしまったら、どうすればいいの?


上記の章で、床ずれの進行度をご紹介しましたけど、進行度④になっても放っておくと、皮下組織の壊死(えし)が進んで、患部が深くえぐられたような状態になります。そして、ヒドイ場合は骨が見えてきます。そこまでいくと重度の床ずれと言えますので、必ず動物病院で診察を受けるようにして下さい。

基本的に「床ずれ」になった場合は、下記の2つの対処方法があります。

■塗り薬で治療する
病院で処方してもらった床ずれ用の塗り薬を使って、家庭でケアする方法です。薬は、大きく分けて「クリームタイプ」と「粉末タイプ」があります。

クリームタイプは、保湿力が高いので、皮膚の再生を促す効果が高いのが特徴です。粉末タイプは、滲出液を汚してしまう犬のケアがしやすいのが特徴です。

■レーザー治療
患部に低出力のレーザー光線を照射して、皮膚の再生を促します。この方法は、痛みがなく短期間で治療できるのが特徴です。

 
床ずれの場合、普通は消毒液が使用されます。でも、消毒液にアレルギー反応を起こす犬もいます。そのため、消毒液は使わずに、保湿クリームとラップを使った治療法もあります。その手順は下記の通りです。

■ 保湿クリームとラップを使った治療法

①患部を洗う
ぬるま湯に浸したタオルで、壊死した組織や周囲の毛に付いた汚れを拭き取ります。

②クリームを塗る
保湿効果のあるクリームを患部に厚めに塗ります。

③ラップを巻く
患部をラップでゆるく巻きます。その際、患部に毛が掛からないようにします。

④固定する
ラップの上からガーゼを巻いて、その上から粘着性伸縮包帯を巻いて、ガーゼが剥がれないようにします。

 
保湿クリームとラップを使った方法は、ラップを一時的に皮膚代わりにすることで、ケガをすると自然に出てくる滲出液を患部に行き渡らせて、皮膚を早く再生することが出来ます。

どの方法を選ぶかは、飼い主さんが最終的に決めるのですが、どれが良いのか判断できないですよね。ですから、獣医師とよく相談して決めて下さいね。

最後に

いかかでしたでしょうか。床ずれの予防は、柔らかい寝床を作ることと、寝返りをさせることだけですから簡単ですよね。寝たきりになったも、寝返りをさせない人は少なくないようですけど、少しの手間を惜しまなければ、愛犬をツライ目に遭わせずに済みます。

私も、愛犬が年老いて寝たきりになったら、そのような手間を惜しまずに、少しでも快適に過ごさせてあげたいと思います。私を癒し続けてくれた愛犬ですからね。

私としては、私たち家族と一緒に暮らして良かったと思ってもらえるように、これからも犬のことを色々と勉強して、愛犬を可愛がり続けたいと思います。

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