どうもどうも!ユウポンです。
前回の記事にも書きましたけど、私の孫が「カタツムリ」に興味を持ったので飼うことになりました。
カタツムリですから、毒を持っている訳でもないですし、孫が触っても特に問題はないと思っていました。でも、知人にカタツムリを飼い始めた話をすると、カタツムリには寄生虫がいるので危険だと言われました。/span>
それで、カタツムリに関する書籍などを見て、色々と調べてみました。すると、カタツムリには、確かに寄生虫がいることが分かりました。
という訳で、今回はカタツムリの寄生虫が人間にとって危険なモノなのか、その辺りのことを中心に色々とお伝えしたいと思いますので、どうぞ参考になさって下さい。
※今回の記事中の情報は、下記の文献を参考にしています。
【参考文献】
①カタツムリの謎 著:野島智司(誠文堂新光社)
②カタツムリハンドブック 著:西 浩孝(文一総合出版)
③かたつむりのひみつ 著:武田 晋一(ひさかたチャイルド)
カタツムリの寄生虫が人間に感染すると危険?
生き物と生き物の関わり方には、様々なスタイルがありますけど、そのひとつが寄生です。カタツムリの場合も、体内に寄生して生きている寄生虫がいます。その寄生虫は、広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)です。
広東住血線虫は、本来は太平洋の島々や東南アジアに生息していて、ネズミやカタツムリに寄生するそうです。その広東住血線虫の感染経路を説明すると以下のようになります。
- 広東住血線虫の成虫がネズミの体内で産卵する
- ネズミの体内で孵化(ふか)した幼虫は、フンと一緒に体外へ排出される
- 幼虫はカタツムリの体内に侵入し、栄養を奪いながら成長する
- 広東住血線虫が寄生しているカタツムリをネズミが食べる
- 再びネズミの体内に戻った広東住血線虫は、ネズミの体内で成虫になる
要するに、広東住血線虫は、ネズミの体内で産卵して、カタツムリを経由して、またネズミの体内に戻って成虫になるということですね。
広東住血線虫は、通常は人間に寄生することはないとされています。でも、広東住血線虫に感染したカタツムリを食べると、人間の体内に広東住血線虫が侵入してくる場合があるそうです。
人間の体内に広東住血線虫が侵入すると、様々な症状が出るのですが、広東住血線虫が侵入して症状が出るまでには、2週間ぐらいかかると言われているようです。要するに、広東住血線虫の潜伏期間は、約2週間ということですね。
なお、広東住血線虫に感染すると、以下のような症状が出るそうです。
- 強い頭痛
- 発熱
- 吐き気
- 顔面麻痺
- 四肢麻痺
- 痙攣
- 意識障害
- 死亡
このような症状が出る可能性があるのですから、広東住血線虫に感染すると怖いですよね。このことを知って、私は飼育ケースに入れているカタツムリを捨てようかと思いました。万が一、孫に感染すると怖いですからね。
でも、私が子供の頃、よくカタツムリを触っていましたけど、全く何もなかったので大丈夫かなと思って、捨てずに飼っています(^^;
ところで、広東住血線虫に感染すると、上記のような症状があると分かると、日本のでの感染例が気になりますよね。
その辺りのことは、次の章で説明させて頂きますのでご覧下さい。
カタツムリの寄生虫は日本でも感染例があるの?
日本での広東住血線虫による感染は、1969年に沖縄県で患者が出たのが初めてだそうです。それ以降は、50件以上の感染が報告されています。
2000年には、沖縄県の嘉手納基地内の女の子(7歳)が、広東住血線虫に感染して、髄膜脳炎で死亡したそうです。
死亡例があったことを知ると、カタツムリを飼うのは危険なような気がしてしまいますよね。でも、カタツムリを食べたりしなければ、さほど心配する必要はないらしいです。
ちなみに、広東住血線虫に感染する可能性があるのは、東南アジア・沖縄・小笠原・奄美大島などに生息しているアフリカマイマイ(大型のカタツムリ)です。ですから、それらの地域に行ったときは、カタツムリを触ったりしない方がいいですね。
あと、カタツムリ以外では、ナメクジ・アジアヒキガエル・エビ(淡水産)・ジャンボタニシ(リンゴガイ)なども感染源になるそうです。
カタツムリなどを食べる場合は、火を通せば安全なんだそうですけど、生で食べると感染の危険があるので、気を付けないといけないですよね。
ところで、エスカルゴ(カタツムリ)は、よく食べられていますよね。世界中で食べられているエスカルゴですから、そんなに心配する必要はないのかなとも思ったのですが、気になったのでエスカルゴのことも少し調べてみました。
その辺りのことは、次の章で説明させて頂きますね。
エスカルゴを食べても大丈夫なの?
エスカルゴは、フランス語で「カタツムリ」のことです。フランス料理では、よく使われている食材ですよね。
フランスで食材として使われているカタツムリは、いくつかの種類があって、エスカルゴ・ド・ブルゴーニュ(リンゴマイマイ)や、それより少し小さいプティ・グリと呼ばれるカタツムリが有名なんだそうです。
でも、エスカルゴとして一般に流通しているモノの多くは、アフリカマイマイだそうで、本場フランスのエスカルゴとは種類が違うそうです。
上記の章で、アフリカマイマイは、広東住血線虫に感染する可能性があると紹介しましたよね。でも、食用にしているアフリカマイマイは、食用として使うために養殖されたモノだそうです。
ですから、広東住血線虫に感染しないように、細心の注意が払われて育てられていますし、火を通して食べるので、広東住血線虫に感染する心配はないようです。
養殖されたカタツムリは、感染の心配はないと思いますけど、エスカルゴが美味しいからといって、野生のカタツムリを食べる場合は、絶対に充分な加熱をしないと危険ですから、そこは本当に注意が必要です。
日本でも、地域によっては、周辺に生息しているカタツムリを食用や薬用にしていたそうです。おそらく、広東住血線虫に感染しない種類のカタツムリを使っていたのか、よく加熱して使っていたのでしょうね。
ちなみに、フランスでは「エスカルゴ・ド・ブルゴーニュ」や「プティ・グリ」と呼ばれるカタツムリが有名だということは上述しましたけど、プティ・グリの養殖は簡単に出来たそうです。
しかし、エスカルゴ・ド・ブルゴーニュは、繁殖力が弱いので、なかなか養殖に成功しなかったそうです。
でも、現在では養殖に成功している訳ですけど、世界で初めてエスカルゴ・ド・ブルゴーニュの完全養殖に成功したのは、日本の三重県松坂市にある「株式会社 三重エスカルゴ開発研究所」だそうです。
三重エスカルゴ開発研究所は、2001年から養殖を一般公開しています。養殖を見学するだけでなく、レストランもあるので、美味しいエスカルゴが食べられるみたいですョ。
最後に
いかがでしたでしょうか。東南アジア・沖縄・小笠原・奄美大島などに生息しているアフリカマイマイ以外のカタツムリは、広東住血線虫に感染している可能性はほどんどないようです。
ですから、過敏になり過ぎる必要はないですね。
ただ、野生のカタツムリを食べるときは、必ず火を通さないと怖いみたいですから、その辺りは気を付けないといけないと思います。でも、野生のカタツムリを食べる人は、そんなにいないと思いますけど…。
いずれにしましても、カタツムリだけに限らないですけど、昆虫や動物を触ったあとは、必ず手洗いをするようにしないといけないですね。どんな寄生虫が付いているか分からないですから…。
というより、外から帰ってきたときは、必ず「手洗い」と「うがい」をするように習慣づけないといけないですね。
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