教育勅語の反対者は、ココの内容を問題点としている!


多分、戦前であれば「教育勅語」という言葉を知らない人はいなかったでしょうね。でも、現在では滅多に使われることがない言葉ですから、「教育勅語とは?」と問われても、「???」という人は多いのではないでしょうか。

森友学園の問題がマスコミで大きく取りあげられたとき、テレビ局のカメラの前で、「教育勅語がどうして悪い?」と籠池泰典氏が大きな声で叫ぶように訴えていました。

でも、教育勅語の内容を知らない人にしてみれば、何が悪いのか分からず、教育勅語という言葉が気になったままではないでしょうか。

こちらのページでは、1948年に衆参両院の決議で排除と失効がなされた「教育勅語」に関して、何が問題でそうなったのかなどを紹介しています。

ただ、教育勅語の問題点を紹介する前に、教育勅語をちゃんと理解しおいた方がいいので、まずは教育勅語について、簡単に説明させてもらいますね。

教育勅語の原文と現代語訳

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明治23年10月、明治天皇は、教育勅語を教育理念として臣民に向けて示しました。ちなみに、明治憲法では、天皇や皇公族以外の日本国民を「臣民」と呼んでいました。現在では、臣民という言葉は使われず、国民という呼び方が一般的になっていますが…。

いきなり話が反れてしまいましたね。

明治天皇が臣民に示した教育勅語は、下記の画像です。ちなみに画像は、明治神宮のWebサイトより転載させて頂きました。

見にくいと思いますので、ふりがなを付けて書き出している人たちが大勢いますので、それらを参考にさせて頂いて、文章を書き出してみました。

この教育勅語の起草者は、政治家の井上毅(いのうえ こわし)や儒学者の元田永孚(もとだ ながざね)です。

ただ、書き出したものを見ても、ハッキリ言って意味不明ですよね。私も書き出しながら、何が書かれているのかチンプンカンプンでした。

でも、当時、教育勅語は全国の学校に配られていたのです。ということは、現代の人には分からないような言葉が、普通に使われていた訳です。明治⇒大正⇒昭和⇒平成と時代が移る中で、日本の言葉はかなり変化したってことですね。

最近の若い人たちが喋ってる言葉も、51歳の私には、意味不明な言葉が少なくないですけど、言葉というものは想像以上に変化していくものなんですね。

それより、教育勅語の全文の意味を調べましたので見て下さい。ちなみに、参照元はウキペディアです。

■ 教育勅語の内容と意味

朕??惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇??ムルコト宏遠??ニ德ヲ樹ツルコト深厚ナリ我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス

この一段には、まず皇室の祖先が我が国を始めるにあたって、その規模がまことに広大で、かついつまでも動かないようにしたこと、祖先はまた身を修め、臣民を慈しみ、万世に渡って手本を残したことを言っている。次に、臣民は君に忠を尽くし親に孝を尽すことを心掛け、臣民すべてが皆心を一つにして代々忠孝の美風を全うして来たことを言っている。終りに、以上のことが我が国体の純美な所であり、我が国の教育の基づく所もまたここにあることを言っている。

爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦??相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博??愛衆ニ及??ホシ學ヲ修メ業ヲ習??ヒ以テ智能ヲ啓??發シ德器ヲ成就シ進??テ公??益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵??ヒ一旦緩??急??アレハ義勇??公??ニ奉シ以テ天壤無窮??ノ皇運??ヲ扶翼??スヘシ是ノ如キハ獨リ朕??カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺??風ヲ顯彰スルニ足ラン

この一段には、初めに天皇が我等臣民に対して爾臣民と親しく呼びかけ、我等が常に守るべき道を諭している。

その趣旨によると、我等臣民たるものは父母に孝行を尽くし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に分を守って睦まじくし、朋友には信義をもって交わらなければならない。誰に対しても身を慎んで無礼の挙動なく、常に自分を引き締めて気ままにせず、しかも広く世間の人に慈愛を及ぼすことが大切である。また学問を修め業務を習って、知識才能を進め、徳ある有為の人となり、進んでこの智徳を活用して、公共の利益を増進し、世間に有用な業務を興すことが大切でである。また常に皇室典範・大日本帝国憲法を重んじ、その他の法令を守り、もし国に事変が起こったら、勇気を奮い一身をささげて、君国のために尽くさなければならない。このようにして天地と共に窮りない皇位の盛運を助けるのが、我等臣民の務めである。

なお以上の道をよく実行する者は、陛下の忠良な臣民であるばかりでなく、我等の祖先がのこした美風を表す者であることを諭している。

斯ノ道??ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺??訓ニシテ子孫臣民ノ?ニ遵??守スヘキ所??之ヲ古今ニ通??シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕??爾臣民ト?ニ拳??々服??膺シテ咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶??幾??フ

この一段には、前の第二段に諭した道は、明治天皇が新たに決めたものではなく、実に皇祖皇宗が残した教訓であって、皇祖皇宗の子孫も一般の臣民も共に守るべきものであること、またこの道は古も今も変りがなく、かつ国の内外を問わずどこでも行われうるものであることを言っている。最後に、かしこくも天皇は自ら我等臣民と共にこの遺訓を守り、それを実行し、皆徳を同じくしようと言っている。

以上は明治天皇の下した教育に関する勅語の大意である。この勅語に示している道は我等臣民の永遠に守るべきものである。我等は至誠を持って日夜この勅語の趣意を奉体しなければならない。

ウキペディアの現代語訳もイマイチ分かりにくいので、私なりに教育勅語の内容を要約してみました。

はるか昔から、皇室の先祖が日本という国を治めてきた。その徳は、非常に深いものである。全国民が心を一つにして、素晴らしい行いをしてきたことは、日本の誇れるところであり、教育の根源もそこにある。

国民は、親孝行をし、兄弟・夫婦・友人とは仲良くして、困っている人には手を差し伸べ、勉強をして仕事を覚え、法律に従って世間のために尽力しなさい。

もし、非常事態が発生した場合、勇気をもって皇室を助けなさい。これは、善良な国民であるというだことだけでなく、日本国民の先祖が残してきた良い風習を褒め称えることでもあります。

これらは、皇室の祖先が残してきた教訓であり、皇室の子孫と国民が共に守っていかなければならないことです。私は、このような教えを守って、国民がひとつになって、立派な行いをしていくことを願っています。

かなり簡潔にまとめましたが、概ねこのような感じで間違いないでしょう。さらっと読むと、当たり前のことだけが書かれているように思いますよね。

でも、アメリカの占領軍からダメ出しがでたそうです。それで、昭和23年6月、衆参両院によって、基本的人権の考え方に反しているということで、教育勅語は排除と失効されることになりました。

ただ、それまでは、祝祭日になると、校長が教育勅語を読み上げていたそうです。しかも、教育勅語の謄本(写し)は、かなり神聖なものとして扱われていたようで、天皇と皇后の写真と共に、命をかけて守るべきものとされていたそうです。

当時の日本を考えると、何となくイメージは出来ますよね。そう考えると、教育勅語の内容に賛同できない人たちが、問題点とする部分が見えてきませんか?

次の項目では、その教育勅語の問題点とされている部分にスポットを当てて解説させて頂いていますので、どうぞご覧下さい。

教育勅語の問題点

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教育勅語の内容で、親孝行・兄弟仲良くという部分に関しては、反論する人はいないでしょうね。

問題視されている部分は、「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ」です。これは、緊急事態が発生した場合、公に奉仕しなさいということです。この「公」って何なのでしょうね。

捉え方は様々かとは思われますけど、明治42年に文部省(現在の文部科学省)は、教育勅語の中の一文を次のように英訳しています。

「courageously offer yourselves to the State」

この「yourselves to the State」は、「国家にあなた自身を」という意味ですよね。ということは、教育勅語の中の「公」とは、政府が「国家」と明言していたということです。

要するに、「緊急事態が発生した場合、公に奉仕しなさい」というのは、戦時中に「天皇陛下万歳」と三唱していたイメージですよね。結局、戦争が起きれば、天皇のために命を投げ出しなさいということになりませんか?

教育勅語には、親孝行や兄弟仲良くなどと書かれてはいますけど、それは建前みたいなもので、教育勅語を使って本当に言いたかったことは、その部分じゃないでしょうか。

という訳で、教育勅語の謄本を全国の学校に配布して、国民に浸透させた本当の狙いは、天皇を神格化させて、戦時中に行われていた教育を浸透させようとしていたとしか思えないので、教育勅語を反対する人が多いという訳です。

最後に

教育勅語に関しては、そのものが反対されているというよりは、その中の一文に納得できない人が多いということですね。

教育勅語の中には、賛同できる文言もあれば、賛同できない文言もあるので、それらをひとつにしてしまうと、稲田朋美防衛相のように、「(教育勅語は)親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする、高い倫理観で世界中から尊敬される道義国家を目指すもので、復活すべき」などと言う人が出てくるのでしょうね。

ただ、反対する人が多い考え方であっても、それに賛同する人がいるのも事実です。

要するに、様々な考え方の人がいるということです。そのため、新聞などの報道や、どこかの誰かが声高に叫んでいても、他人の考えに惑わされず、自分自身の考えをしっかり持つ事が大切ですね。

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