マルチビタミン&ミネラルの効果:ひとつずつ分かりやすく説明

マルチビタミンやマルチミネラルですが、それぞれ何を指しているのか、そして、それぞれにどのような効果があるのか、分かるようで分からないですよね。

そこで、それらを解説すると共に、体に必要な他の栄養素に関しても、出来るだけ簡潔に解説していますので、ぜひ参考にして下さい。

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マルチビタミンとは

マルチビタミンとは、複数のビタミンを一度に摂ることができるサプリメントのことです。マルチビタミンとして摂取する場合、下記の栄養素が含まれているのが理想的と言えます。

■ マルチビタミンの理想的な配合

  • ビタミンA
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ビタミンK

ビタミンB群とは、B1・B2・ナイアシン・B6・B12・パントテン酸・葉酸・ビオチンなどの総称のことです。従いまして、それらを含む13種類のビタミンが入っているマルチビタミンが理想的と言えます。

なお、マルチビタミンは、メーカーによって含まれている栄養素に多少の違いがありますが、少なくともビオチンとビタミンK以外の11種類が入っているモノを選ぶようにしましょう。

ビタミンB群は、水溶性のビタミンです。糖や脂質の代謝には欠かせない栄養素で、酵素を補う働きもあります。ビタミンB群は、互いに共同して働くため、単独に摂取するより、ビタミンB群をまとめて摂取する方が効果的です。

マルチミネラルとは

マルチミネラルとは、複数のミネラルを一度に摂ることができるサプリメントのことです。マルチミネラルも、メーカによって含まれている栄養素に違いがあるのですが、必須ミネラル16種のうち、少なくとも下記の栄養素を含んでいるモノがお勧めです。

  • カルシウム
  • 亜鉛
  • マグネシウム
  • ヨウ素
  • クロム
  • セレン

必須ミネラル16種とは、硫黄・塩素・ナトリウム・カリウム・マグネシウム・カルシウム・リン・鉄・亜鉛・銅・マンガン・ヨウ素・セレン・モリブデン・クロム・フッ素のことです。

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各ビタミンの効能

ビタミンは、体内では生成できない微量栄養素です。そのため、体外から摂取しなければならないのですが、様々な代謝に関係していて、生体の機能を正常に保つ働きがあります。

ビタミンA

ビタミンAは、主に動物性食品に含まれています。ビタミンAは「目のビタミン」と言われているのですが、視覚機能の健康を維持する以外に、皮膚や粘膜の健康にも関与しています。なお、脂溶性のビタミンAは、主に肝臓に蓄えられるため、過剰摂取には注意が必要です。

β-カロテン

β-カロテンは、免疫を活発にする作用や抗酸化作用が期待できる栄養素であるため、がんや心臓病の予防、または悪玉コレステロールの酸化を防ぐ働きがあります。ちなみに、体内でビタミンAに変わるため、プロビタミンAとよばれています。なお、β-カロテンは、体内で必要な量だけビタミンAに変えられるので、脂溶性のビタミンAとは違い、過剰症の心配はありません。

リコピン

リコピンは、トマトに多く含まれている赤色の色素で、抗酸化力が非常に強く、β-カロテンの2倍・媚態mんEの100倍以上の作用があると言われています。リコピンは、β-カロテンとは違い、体内でビタミンAに変換されることはありません。リコピンの効能としては、抗酸化作用・紫外線による皮膚のダメージを抑制する作用・発がんリスクを低下させる作用が期待できます。

ルテイン

ルテインは、リコピンと同じで、体内でビタミンAには変換されません。眼球の中にある黄斑と呼ばれる部分や水晶体に多く存在しています。ルテインは、その黄斑細胞の老化を防ぐ働きがあり、白内障の予防効果も期待できます。

ビタミンB1

ビタミンB1は、糖質を効率よくエネルギーに変換するために必要な栄養素です。中枢神経や末梢神経の末端に多く存在していて、神経伝達物質の働きを高める作用があります。ただ、アルコールを多く飲むと不足しがちになるため注意が必要です。

ビタミンB2

ビタミンB2は、過酸化脂質の分解を促す補酵素として働いていて、動脈硬化・脂質異常症・脂肪肝の予防が期待できます。なおダイエットにも役立つ栄養素です。あと、皮膚や粘膜の健康維持をサポートする働きもあります。

ビタミンB6

ビタミンB6は、アミノ酸代謝に関わる補酵素としての役割を担っていて、様々な神経伝達物質の生成をサポートしています。

ビタミンB12

ビタミンB12は、赤血球の形成をサポートして、造血に重要な役割を果たしています。

パントテン酸

パントテン酸は、補酵素(コエンザイムA)の構成成分です。糖質や脂質のエネルギー代謝の中心的な役割を担っています。

ビオチン

ビオチンは、皮膚炎を予防する働きがあります。糖質・脂質・アミノ酸の代謝に重要な役割を果たしています。なお、様々な食品に含まれていて、腸内細菌からも作り出されています。

ナイアシン

ナイアシンは、ニコチン酸とニコチンアミドと呼ばれる成分の総称です。糖質や脂質のエネルギー代謝の補酵素としての役割や、アルコールを分解する補酵素としての働きもあります。

葉酸

葉酸は、赤血球の形成をサポートします。そして、核酸を作るための補酵素として、細胞分裂にも作用します。なお、葉酸は、胎児や乳幼児の成長には不可欠な栄養素です。

ビタミンC

ビタミンCは、コラーゲンの生成に関わっているだけでなく、アミノ酸・ホルモン・コレステロールなどの代謝や、免疫反応などにも関わっています。他には、活性佐生を取り除く働きがあり、その還元作用によって、腸からの鉄の吸収を促して、貧血を予防する効果もあります。あと、美肌・美白・シミの予防などの効果も期待でき、がんの発症リスク抑制効果も期待できます。

ビタミンE

ビタミンEは、いくつかの種類に分けることが出来るのですが、ビタミンEのサプリメントには、生理活性(ある物質が生理的調節機能に対して作用する性質)が一番強いと言われている成分が主成分となっています。ビタミンEは、動脈硬化・高脂血症・糖尿病・神経疾患などに対する予防効果が期待できます。あと、血中コレステロールを低下させる作用・動脈硬化やがんの発症リスクを抑制する作用・皮膚の保護作用などもあります。

アスタキサンチン

アスタキサンチンは、強力な抗酸化作用がありますので、眼精疲労の改善・筋肉疲労の抑制・動脈硬化の予防などが期待できます。あと、美肌効果も期待できるため、化粧品の成分としても注目されています。

各ミネラルの効能

ミネラルは、ビタミンと共同で働くことで、体の機能を正常に保つ役割を担っていて、体の潤滑油と言えます。

亜鉛

亜鉛は、体の全ての細胞に存在している成分で、酵素反応の活性化や免疫機能など、様々な整理機能に重要な役割を果たしています。特に、アミノ酸からのタンパク質合成(新陳代謝)や遺伝子のコピーには不可欠です。亜鉛は、味覚障害の予防改善・性腺機能の正常化・免疫力の向上などの効果が期待できます。

カルシウム

体内に存在しているカルシウムの99%は、骨や歯に存在しています。そして、残りの1%は血液・筋肉・神経に存在しています。カルシウムに期待できる効能としては、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防と治療。あと、月経前症候群の緩和です。体内のカルシウムが不足すると、骨を溶かして血中にカルシウムを放出して、カルシウム濃度を一定にする作用があります。そのため、カルシウムが不足すると、骨が弱くなってしまいます。カルシウムは、1日600mg摂取する必要があるとされているのですが、多くの日本人は足りていないのが実情です。そのため、サプリメントを上手く活用して、カルシウムを補うようにした方が良いのですが、大量摂取を長期間続けると、腎臓結石になる可能性がありますので注意が必要です。ちなみに、血中のカルシウム濃度は、高くても低くても、その状態が長引くと生命の危険があります。

クロム

クロムは、糖代謝に必要な酵素を活性化させて、インスリンの働きを高める作用があります。あと、脂質代謝では、脂肪酸やコレステロールの合成を促す働きもあります。クロムの効能としては、糖尿病の予防や改善が期待できます。

セレン

セレンは、体内の公算かシステムの重要な役割を担っていて、がん予防・老化防止・生活習慣病の予防に有効です。ちなみに、同じく抗酸化作用を持つビタミンEと一緒に摂取すると、より効果的とされています。ただ、過剰摂取すると、脱毛・爪の変形・胃腸障害になる可能性がありますので注意が必要です。

鉄は、赤血球のヘモグロビンの構成成分で、酸素を運搬する役割をになっています。男性や閉経後の女性は、鉄が不足することは少ないのですが、妊娠・出産などで鉄欠乏症貧血になりやすいため注意が必要です。ちなみに、鉄はビタミンCと一緒に摂取すると、鉄分の吸収率が高まるのですが、緑茶・コーヒー・紅茶などに含まれている担任は、鉄の吸収を妨げると言われています。いずれにしましても、鉄の過剰摂取は好ましくないため、必要以上に摂取しないようにしましょう。

マグネシウム

マグネシウムは、細胞反応に関わる必須ミネラルで、カルシウムと共同で働いたり、逆にお互いの効果を打ち消すように拮抗して働くことで、体の機能を維持したり調整をしています。マグネシウムに期待できる効能は、高血圧・脂質異常症・心疾患などの予防改善と、腎臓結石の予防効果です。

マンガン

マンガンには、酵素を活性化させる働きがあります。骨の形成や代謝にも関係していて、消化などを助ける働きもあります。マンガンが不足した場合、成長障害・骨格異常・糖や脂質の代謝障害・生殖能力の低下・生殖腺機能障害などが起こります。ただ、普通に生活をしていて、マンガンが不足することはあまり考えられず、過剰摂取も問題になることはありません。

まとめ

【ビタミンについて】

ビタミンは、素陽性ビタミン(B群・C)と、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)に分けることが出来ます。

脂溶性ビタミンは、肝臓など体内に蓄積されて、過剰摂取による副作用が出て来る危険性があります(ビタミン過剰症)。ビタミンAは過剰摂取すると「過剰症」になりますが、β-カロテンではkじょうしょうは起きないとされています。

なお、水溶性ビタミンは、過剰に摂取したとしても、尿として体外に排出されますので問題は起きないとされています。但し、ビタミンB6は例外です。過剰症を避けるためには、メーカーが勧めている量を守るのが一番簡単で確実です。

例えば、マルチビタミンと単品のビタミンを摂った場合でも、メーカーが勧めている量であれば、過剰摂取になることはまずありません。

【ミネラルについて】

食事でミネラル過剰となるのは、塩分によるナトリウム以外はありません。ただ、サプリメントで特定のミネラルを摂取すると、過剰摂取が起きがちだと言われています。これは、ミネラルの適正量のゾーンが狭いからです。

ミネラルの過剰摂取は、様々な不調が現れます。例えば、亜鉛では貧血・発熱・胃部不快感、カリウムでは腎機能障害・不整脈、セレンでは皮膚障害・脱毛・貧血・呼吸障害・肝硬変などです。

特定のミネラルを長期間に渡って大量に摂取すると、重篤な症状を引き起こす可能性がありますので、注意が必要です。

という訳で、ミネラルの摂取は、10種類前後のミネラルが配合されているマルチミネラルから試してみることをお勧めします。

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