どうもどうも!ユウポンです。
私の家では、孫が「カタツムリ」に興味を持ったので飼い始めました。それで、カタツムリについて色々調べてみましたので、今回は「カタツムリの殻の構造」に関することをご紹介したいと思います。
カタツムリの殻が割れたら再生するのかなど、色々とご紹介させて頂きますので、どうぞ参考になさって下さいね。
※今回の記事中の情報は、下記の文献を参考にしています。
【参考文献】
①カタツムリの謎 著:野島智司(誠文堂新光社)
②カタツムリハンドブック 著:西 浩孝(文一総合出版)
③かたつむりのひみつ 著:武田 晋一(ひさかたチャイルド)
カタツムリの殻が割れたら再生するの?
飼っているカタツムリの殻が割れたら、その部分は割れたままになるのか気になりますよね。
私の家で飼ってるカタツムリは、今のところキレイな殻のままですけど…。
結論からお伝えすると、カタツムリの殻は、割れてしまっても再生します。カタツムリの殻は、成長するだけでなく、壊れた部分を修復する機能も備わっているからです。
ボロボロの殻のままでは、カラダを守るという殻の役目を果たせないですからね。
ただ、割れた殻は、少しずつ修復されていきます。ですから、みるみる修復される訳ではないので、ずぅ~っと眺めていても、修復していく過程を確認することは出来ないですョ。
あと、カタツムリの殻は、乾燥を防ぐ機能も備わっています。
カタツムリが眠るときは、カラダを殻の中に入れて眠ります。カタツムリが眠っている間、殻の入り口が開いたままだと、殻の中が乾燥してしまうので、殻の入り口をタンパク質の膜で塞ぐことが出来るようになっているんです。
カタツムリは、乾燥に弱いですからね。
殻の入り口に出来る膜のことを「エピフラム」と言います。ただ、殻の入り口を完全に密閉してしまうと、カタツムリは窒息してしまいます。
ですから、呼吸をするための小さな空気穴が開いています。
ちなみに、軽い休眠のときは、エピフラムが1枚だけです。でも、乾燥が激しいときや、深い休眠を取るときは、カラダを殻の奥に縮めて、エピフラムを2~3重に張るそうです。
上記の画像のように、カタツムリが枝に密着して外れないのは、エピフラムによって、殻が枝に接着されるからです。
という訳で、カタツムリの部分的な機能について説明しましたけど、次の章では、カタツムリの殻の全体的な構造について説明させて頂きますので、そちらもご覧下さいね。
カタツムリの殻の構造は、どうなってるの?
ヤドカリは、カラダと殻は別ですから、カラダが大きくなると殻を脱いで、カラダの大きさに合った殻を探して、それを使いますよね。
でも、カタツムリの殻は、カラダの一部です。
ですから、カラダの成長と共に、殻も大きく成長していきます。その殻は、炭酸カルシウムの結晶なのですが、カタツムリの体内で、化学反応によって作られるそうです。
ちなみに、カタツムリのカラダの表面は「外套膜(がいとうまく)」と呼ばれるモノに覆われているのですが、そこから炭酸カルシウムの結晶が分泌されて、殻を大きくしていると考えられているそうです。
なお、殻は2方向に成長していきます。
カタツムリの殻は、殻の入り口がドンドン成長することによって、殻の巻きが増えていきます。そのため、生まれたばかりのときは、1巻き半だけだった巻きが、大人になると4~5巻きになります。殻の入り口が継ぎ足されていくような成長ですから、巻きの中心部分は、孵化した頃の殻のままです。
殻の内側の成長とは、殻の厚みを増していく成長のことです。孵化したときは透明感のある薄い殻なのですが、成長すると共に分厚く頑丈な殻に成長していきます。
ちなみに、カタツムリの殻を顕微鏡で見てみると、層状になっています。この層状の構造は、縦方向の層の上には横方向の層が重なっていて、結晶の向きが上下で揃わないようになっています。
これは、ベニヤ板と同じですね。ですから、割れにくい構造になっているという訳です。
以下の画像をよく見て頂くと、層の違いがハッキリと分かりますよね。
以下の画像も、カタツムリの殻を顕微鏡で見たところですけど、上の画像より少し離れて見た画像です。まるで、瓦礫(がれき)ですね(^^;
余談ですけど、カタツムリの殻は「等角らせん」という図形で説明することが出来ます。殻の中心から外側に向けて放射状に線を引くと、その線とらせんが作る角度が一定になっているんです。それを「等角らせん」と言います。
言葉で「等角らせん」を説明しても分かりにくいので、以下の図をご覧下さい。三角形をつなぎ合わせると、カタツムリの殻と同じ形になりますよね。
何故、そういう風になるのかは分からないみたいですけど、カタツムリの殻の形は、数学的な規則があるということです。これは、カタツムリの殻だけじゃなく、二枚貝の殻なども同じらしいですョ。
ところで、汚れているカタツムリの殻を見たことは無いのではないでしょうか。
何故、カタツムリの殻は汚れていないのか、その辺りのことは次の章で説明させて頂きますね。
カタツムリの殻は、どうして汚れないの?
カタツムリの殻の表面には、無数の微細な溝があります。これは、雨どいのように、水が流れる構造になっています。
その溝に水が流れると、汚れが浮き上がって落ちやすいようになっているんです。ですから、カタツムリの殻は汚れないんです。
カタツムリの殻の構造にヒントを得て、汚れが簡単に落ちる住宅用の材料を作っている会社もあるそうです。
ちなみに、本当に汚れが簡単に落ちるのか、私も実験してみました。
以下の画像の左側は、殻に「カタツムリ」と油性ペンで落書きをしたモノです。そして、右側は霧吹きで水をかけて、ティッシュペーパーで落書きを消したモノです。
洗剤など使っていないのに、油性ペンで書いた落書きが簡単に消えました。これは凄いですよね。ちょっとビックリしました。
最後に
いかがでしたでしょうか。カタツムリの殻は、再生能力がありますから、飼っているカタツムリの殻が割れても、心配することは無さそうですね。
あと、カタツムリの殻に油性ペンで落書きしても、水拭きで簡単にキレイに出来るっていうのも、凄いと思いませんか。
たかがカタツムリと思ってしまいますけど、人間が参考にするような進化を遂げてる訳ですから、まだまだカタツムリに教わることは多いのかも知れないですね。
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