体内時計のリセット方法:そもそも体内時計がズレてる理由は?


体内時計が25時間周期ということは、多くの人に知られてますよね。でも、どうして25時間周期なのでしょうね。

進化の過程でそのようになったのでしょうけど、地球が24時間周期なのですから不思議ですよね。そこで、「なぜ人間の体内時計が25時間周期なのか」「体内時計をリセットする方法」など、体内時計について色々と調べてみました。

ネットで調べると、簡単に説明されているだけだったり、逆に、専門用語の羅列で分かりにくかったりしたので、専門書を取り寄せて調べてみました。ただ、当ブログでは、できるだけ専門用語を使わないようにしていますので、参考になれば幸いです。

ちなみに、体内時計は「生物時計」とも呼ばれていますけど、体内時計の方が一般的によく使われているようですから、当ブログでは体内時計という言葉を使っています。

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人間の体内時計は、本当に25時間周期?


当たり前の話ですけど、1日は24時間です。これは、地球の自転に合わせているからですよね。でも、人間の体内時計は25時間周期です。1時間のズレがある訳ですけど、その辺りのことについて少し説明しますね。

例えば、真っ暗な部屋の中にいて、時計もなければ、外の光も入ってこない状態で生活を続けると、体内時計はどうなるのでしょう?体内時計は機能しなくなると思いますか?

実は、そのような状態であっても、体内時計は、ほぼ同じリズムが繰り返されるらしいです。

ただ、正確には、リズムのテンポが少し遅くなって、地球のリズムと体のリズムは少しずつズレていきます。そして、そのまま生活をしていくと、12日で昼夜が逆転してしまうらしいです。でも、24日経つと地球のリズムと同じになります。元に戻るということですね。

地球のリズムと人間のリズムが、全く同じ24時間周期であれば、昼夜が逆転するハズはないですよね。でも、実際には、12日ごとに昼夜が逆転するのは実験で明らかにされていますので、人間の1日の周期が25時間であることは間違いないのです。

ちなみに、人間の体内時計は、外部からの要因で作動しているのか、体内にある何らかの要因によって作動しているのかは、長い間議論され続けていたそうです。以前は、外部からの要因というのが主流になっていたらしいです。

そこで、人を明暗が全くない真っ暗な部屋で生活させるという実験をしたそうです。外部からの要因であれば、24時間の周期はなくなるはずですけど、実験の結果は上記の通りです。

それでは、次の項目では、体内時計をリセットする方法を説明させて頂きますね。

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体内時計をリセットする方法


地球の1日は24時間ですけど、人間の体内時計は25時間です。そのため、その1時間のズレを毎日修正する必要があります。簡単に言えば、人間の体内時計が24時になったときに、ゼロに戻るようにリセットしないと、地球と同じ周期にならないので不具合が出てしまうということです。

そのリセット方法ですけど、実は物凄く簡単なんです。

そのリセットのスイッチを入れてくれるのは、太陽の光です。多くの人は、朝になれば起きて活動し、夜になれば寝ますよね。だから、朝に日光を浴びれば、人間の体内時計は朝にリセットされます。

ちなみに、人間の体内時計は25時間周期ですけど、マウスは23時間周期だそうです。

太陽は、朝になれば出てきますから、動物も植物も例外なく、朝に日光を浴びることになります。ただ、そのタイミングが、動物によって活動を開始する時間である場合もあれば、休息を開始する時間である場合もあるということです。要するに、昼間に活動する動物と、夜行性の動物がいるということですね。

人間の場合、活動開始の時間帯である朝に日光を浴びます。すると、体内時計が約1時間進みます。それで、25時間の生体リズムが、24時間に修正されます。要するに、地球と同じリズムになるということです。

一方、マウスは夜行性ですから、朝は休息開始時間です。ですから、人間と真逆で、休息開始時間に日光を浴びることになります。休息開始時間に日光を浴びると、体内時計は約1時間後退するそうです。だから、マウスは朝に日光を浴びると、23時間周期が24時間周期に修正されるという訳です。

■ 体内時計の修正方法の違い
・活動開始時に日光を浴びる場合:約1時間早まる
・休息開始時に日光を浴びる場合:約1時間後退する

という訳で、人間は朝に日光を浴びるべきなのです。もし、夕方以降に日光を浴びると、休息開始時間が近づいてきているときに、日光を浴びることになってしまいます。すると、生体リズムは、さらに1時間後退することになり、体内時計は26時間周期になってしまいます。

でも、仕事で夜勤専属の人は、深夜に活動して昼間は休息していますよね。

だから、「そのような人でも、普通に生活しているじゃないか?」という声が聞こえてきそうですけど、体内時計が狂ったままだと、様々な健康被害をもたらすことは明らかにされています。

実は、私は夜勤専属の仕事をしていたことがあります。

夜勤専属の仕事をしていても、若い頃は体の不調を感じたことはありませんでした。でも、40歳を越えてから体を壊してしまい、「まさか、自分が…」という感じだったのですが結局退職しました。私のまわりの人たちも、50歳を越えている人の5人に1人は体調を崩していましたし、10人に1人ぐいらは仕事を辞めざるを得なくなったりしていました。

あくまで、私のまわりの人達の話ですけど、「うつ病」などの精神的な病気になる人が多かったです。中には、脳梗塞で仕事が出来なくなった人もいましたけど…。その人たちが病気になった原因は、全てが体内時計の狂いによるものだとは限らないです。でも、私としては、夜勤の仕事は40歳ぐらいまでにしておいた方がいいような気がします。

それにしても、どうして人間の体内時計は25時間周期になっているのでしょうね。次の項目では、その辺りのことを掘り下げて説明させて頂きます。

体内時計が25時間の理由


地球の自転は、少しずつスピードが遅くなっています。その理由は、太陽や月の引力が、地球の海水にブレーキをかけられているからだそうです。ただ、スピードが遅くなっているといっても、人間が感じられるほどではなく、100年で1.4ミリ秒ぐらいのペースらしいです。

そんなことまで分かるなんて凄いと思うのですが、サンゴの化石の縞模様(しまもよう)を解析すると、1日の長さが推測できるらしいです。

■ 年代別の1日の長さ(地球の自転周期)
・約10億年前:約20時間
・約5億年前:約21時間
・約3500万年前:約23.5時間

人間が属している霊長類が出現したのは、約3500万年前と言われていますけど、当時の1日は24時間ではなく23.5時間だったようですね。

という訳で、地球の自転は確実に遅くなっている訳ですけど、遅くなる自転に適応するために、人間の体内時計は、約1時間の余裕を持たせたのではないかとみられているそうです。だから、人間の体内時計は、25時間周期になっているということのようです。

でも、今から数億年後は、このままいけば、地球の自転周期は25時間を超えると思うのです。その頃は、人間の体内時計は26時間ぐらいに進化しているかも知れないですね。

最後に

人間の体内時計が25時間だと聞くと、どうして地球の自転と同じ24時間になってないのだろうと思ってしまいますよね。普通は、その方が都合がいいように思えますから…。

でも、長い目で見れば、24時間ではなく、1時間ほど余裕を持たせて25時間にしておく方が、都合がいいってことのようですね。人間に限らず、動物や植物の進化って、本当に凄い適応力ですよね。ただ、全て仮説ですから、そのうち新しい説が出てくるかも知れないですけど…。

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