関節リウマチは、ヒドくなると関節の骨を破壊してしまう怖い病気です。しかし、新しい薬が次々に出てきて、関節リウマチの治療方法も進歩してきています。
そのため、決して諦める必要はなくなってきました。その辺りのことを色々と紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。
関節リウマチは治る?
関節リウマチの従来の治療は、痛みや腫れを抑える対処療法でした。そのため、関節リウマチの進行を止めることが出来ず、慢性化したり、全身を侵されることもありました。
しかし、最近では、MTX(リウマトレックス・メトトレキサートなど)という抗リウマチ薬を治療の中心として用いて、効果が不十分な場合は、生物学的製剤(エンブレル・レミケード・ヒュミラ・アクテムラ・オレンシア・シンポニー)を導入する治療法が確立されつつあります。
その結果、関節破壊を止めることが可能になり、完全寛解(症状が全て消えること)となる人が増えてきています。
リウマトレックスという薬は、抗がん剤として開発されたものですが、リウマチに効果があることが分かり、今日では、リウマトレックスを用いる方法が、世界的にも標準的な治療法となってきました。
控えめにした方が良い食品
関節リウマチの場合、下記のような食品は、控えめにした方が良いでしょう。
・脂肪の多い肉類・乳製品・マヨネーズ
【強アレルギーもの】
・そば・ピーナッツ・アーモンド・大豆・卵・牛乳
【免疫を刺激するもの】
・もやし(免疫を刺激する疑いがある)
【免疫系を抑制するもの】
・サラダ油
【食品添加物】
・症状を悪化させる恐れのある添加物
リウマチの克服には、ステロイドホルモンを体内で合成して、自前のホルモンで病気と闘うことも大切です。
ステロイドホルモンは、副腎でコレステロールから合成されます。そのため、コレステロールを摂取する必要があります。
あと、免疫異常に対しては、魚と肉の脂のバランスが大切です。特に、アラキドン酸(オメガ6系の脂肪)と、EPA/DHA(オメガ3系の脂肪)を1対4の割合で摂るようにすると、免疫系の正常化に役立ちます。
ちなみに、オメガ3やオメガ6というのは、脂質の種類のことで、アラキドン酸とはオメガ6に分類されているリノール酸が体内で変換した脂肪酸のことです。
- えごま油
- 青背の魚の脂肪(EPA/DHA)
- 亜麻仁油(フラックス油)
- しそ油
- チアシードオイル
- コーン油
- ひまわり油
- 大豆油
- ゴマ油
- アーモンド油
- サフラワー油(紅花油)
- くるみ油
関節リウマチになった場合、バランスのとれた食事をして、必要な栄養素を摂り入れることも大切なのですが、不足しがちな栄養素は、サプリで補うのも良い方法です。
そこで、次の項目では、関節リウマチになった場合のお勧めサプリを紹介します。
関節リウマチのお勧めサプリ
自己免疫疾患(免疫系が正常な細胞を攻撃する事)である関節リウマチのセルフケアのポイントは、免疫力を強くすることよりも、免疫のアンバランスを正常化させることが大切です。
そのためには、ビタミンやミネラルを過不足なくしっかり補う必要があります。
なお、痛み(炎症)と闘うためには、抗ストレスホルモンが必要になります。ストレスを感じると、副腎皮質ホルモンが分泌されます。その副腎皮質ホルモンが合成されるとき、大量に使われるのがビタミンCとビタミンB群です。そのため、それらは多めに摂ることをお勧めします。
あと、免疫系を正常化させるためには、EPA/DHAは不可欠ですから、必ず摂取するようにしましょう。ちなみに、魚を食べる民族は、自己免疫疾患を患う割合が低いと言われています。
【朝食時】
・マルチビタミン
・マルチミネラル
・プロテイン
【朝食時と夕食時】
・ビタミンB群
・ビタミンC
・EPA/DHA
マルチビタミンやマルチミネラルなどに関しては、別ページの「マルチビタミン&ミネラルの効果:ひとつずつ分かりやすく説明」で解説しています。
上記以外では、初期の関節症の痛みに効果があると言われているグルコサミンやコンドロイチンもお勧めです。
ただし、ビタミンB群に関しては注意が必要です。それは、関節リウマチの治療で、リウマトレックスという薬を用いている場合、ビタミンB群に含まれている葉酸とリウマトレックスが拮抗してしまい、リウマトレックスの効果が弱まってしまうからです。
という訳で、リウマトレックスを服用するときは、その前後48時間は、葉酸を摂取しないようにする必要があります。なお、リウマトレックスを服用した後、48時間以上経過していれば、葉酸を摂っても大丈夫です。
リウマチは、原因によっていくつかの種類に分けられます。その種類によって、適切な治療も変わってきますので、次の項目では、リウマチの種類について解説いたします。
種類別リウマチの解説
リウマチという名称は、ギリシア語の「流れ」を意味する言葉に由来しているらしいのですが、一般に「リウマチ」と言った場合、関節リウマチのことを指します。
なお、リウマチ性疾患という名称もあります。こちらは、関節や筋肉や骨など、体を構成する組織に痛みを伴う病気の総称です。
リウマチ性疾患は、その原因によって5つに分けることが出来ます。
①免疫異常が原因のもの
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・全身性強皮症②細菌やウイルス感染が原因のもの
・リウマチ熱
・ライター病
・ウイルス性関節炎
・真菌性関節症
・強直性脊髄炎
③代謝異常が原因のもの
・痛風
・偽痛風
・甲状腺疾患
・糖尿病関節炎
④外傷や加齢に伴う骨や鉄骨の変形によるもの
・変形性関節炎
・関節外リウマチ
⑤ストレスなどによる心因性疼痛症候群が原因のもの
・筋肉リウマチの一部(ファイブロミアルギア)
・慢性疲労症候群
上記のように、リウマチ性疾患には、様々な原因があります。そのため、適切な治療を施すためには、原因を特定することが重要です。そのためにも、早めに専門医に診てもらうことが大切です。
次は、早期発見のポイントについて解説していますので、参考にして下さい。
関節リウマチの初期症状
関節リウマチの初期症状は「朝のこわばり」で、特に、手の指などの小さな関節に症状が出ます。その症状は、こわばったように動かしにくくなり、力を入れても握ることが出来なくなります。
なお、関節の痛みと腫れが、左右対称に現れるのも特徴です。その他には、リンパ腺の腫れ・疲労感・だるさ・食欲不振などの症状が現れることもあります。
そのような症状が出た場合、迷わずに受診して下さい。それが、関節リウマチの早期発見につながります。
病院で受診すると、下記のような検査が行われます。
- 血液中のリウマチ因子の検査
- 血沈やCRPなどで、炎症の強さを測定
- レントゲン検査で、関節に変形があるかを確認
以前、テレビ番組で、関節リウマチの特集をしていました。その番組では、5人の医師にいくつかのX線画像を見せて、どれが関節リウマチかを当てるということをやっていました。
その結果、関節リウマチの画像を当てることが出来た医師は、1人だけでした。要するに、関節リウマチの初期の診断は、それほど難しいということです。
骨破壊や変形が明らかになった時期での診断は容易なのですが…。
そこで、日本リウマチ学会は、「早期リウマチ診断基準」というものを作成しています。
■ 早期リウマチ診断基準
- 朝起きたときに、関節のこわばりが15分以上あり、その状態が1週間以上続いている。
- 全身の3つ以上の関節の腫れが、1週間以上続いている。
- 手首や手指の第2関節・第3関節、または足首や足首の付け根の関節の腫れが1週間以上続いている。
- 左右の同じ関節の腫れが、1週間以上続いている。
- 血液検査でリウマチ因子が陽性と出る。
- X線検査で、手または足の関節に変化が見られる。
(引用元:日本リウマチ学会)
今回は、関節リウマチに関する情報をお届けしました。専門用語がチラホラありますが、大切な部分はご理解頂けたのではないでしょうか。
いずれにしましても、関節リウマチは「治らない病気」ではなくなってきていますので、おかしいなと感じたら、スグに専門医に診てもらうようにして下さい。
どんな病気でも、早期発見・早期治療が大切ですからね。