膝(ひざ)の痛みは、どんどんキツくなるものですから厄介ですよね。こちらでは、変形性関節症の中でも、特に膝の痛みについて解説しています。
テレビなどで、膝の痛みを軽減するためのサプリとして、コンドロイチンなどが紹介されていますが、その辺りのことにも触れていますので、ぜひ参考にして下さい。
コンドロイチンの効果は?
私たちの体が自由に動くのは、骨と骨をつなぐ関節があるからです。その関節には、骨どうしが直接ぶつからないように、関節軟骨がスポンジの役割を果たしています。
その関節軟骨がすり減ると、骨同士がぶつかり合ってしまい変形してしまいます。それが変形性関節症です。ちなみに、変形性関節症とは、関節の痛みや腫れが起こり、それが続くことによって関節が変形する症状のことです。
スポーツ選手などでも、膝(ひざ)の軟骨がすり減って、選手生命を絶たれることが少なくありません。
私(当ブログ管理人)の息子は、小学生の頃からサッカーを始めて、社会人になってもサッカーを続けています。その息子は、膝が痛いということで受診したところ、膝の軟骨がすり減って、残っている軟骨は半分ぐらいしかありませんでした。そのため、手術をすることになりました。
その手術では、残っている軟骨を引き延ばして、少しでも骨と骨が当たらないようにする方法でした。軟骨は再生しないので、そのようにして、残っている軟骨を利用するしかないそうです。
テレビコマーシャルなどの影響で、膝の痛みには「コンドロイチン」という成分が有効だと思っている人は多いですよね。
実際、コンドロイチンには、初期の変形性関節症の痛みを緩和させる働きがあることは確認されています。
しかし、それは痛み止めのようなものであって、軟骨を元の状態に戻している訳ではないのです。
あと、ヒアルロン酸ですが、膝の痛みに有効だということで、ヒアルロン酸を含んだサプリを飲んでいる人が少なくないようです。
しかし、ヒアルロン酸は、体内に入ると一旦分解されてから吸収されます。そのため、軟骨の材料となる保証はありません。現在、有効性が確認されているヒアルロン酸の投与方法は、関節内注射だけです。
ちなみに、関節注射でヒアルロン酸を注入すると、軟骨の水分保持を高めて、軟骨の摩耗を軽減すると同時に、消炎効果も期待できるとされています。ただ、この方法でも、軟骨を再生できる訳ではありません。
なお、私の息子のように、軟骨がすり減って、残っている軟骨が半分ぐらいしかないような状態であれば、関節注射でヒアルロン酸を注入しても、ほとんど効果は期待できないようです。
そのため、膝の痛みを軽減させるためには、コンドロイチンなどのサプリを飲むより、関節周辺の筋肉を付けることの方が大事だそうです。膝の軟骨そのものを再生することは出来ないのですから、筋肉を付けるための栄養素を、サプリなどで補うのが良いということです。
という訳で、次の項目では、膝痛軽減をサポートするサプリについて紹介させて頂きますので、ぜひ参考にして下さい。
膝の痛みに効くサプリ
ビタミン・ミネラル・プロテインは、代謝をよくすると同時に、筋肉を作る効果もありますので、しっかり摂ることをお勧めします。
【朝食時】
・マルチビタミン
・マルチミネラル
・プロテイン
【朝食時と夕食時】
・ビタミンC
ちなみに、マルチビタミンやマルチミネラルなどに関しては、別ページの「マルチビタミン&ミネラルの効果:ひとつずつ分かりやすく説明」で詳しく解説しています。
あと、上記でも紹介しましたが、グルコサミンやコンドロイチンは、初期の変形性関節症の痛みを軽減する効果がありますので、手術をするほどでないということであれば、追加して飲んでおきたいサプリです。
ただ、グルコサミンの原料にカニやエビが使用されている場合があります。そのため、カニやエビなどにアレルギーがある人は、注意が必要です。
他には、キャッツクローを含んだサプリもお勧めです。キャッツクローは、インカ帝国の時代から、リウマチの特効薬として重宝されてきました。効果としては、関節炎や関節リウマチの改善、抗炎症作用があります。
次の項目では、膝痛を含む「変形性関節症」の原因や治療について紹介致します。
変形性関節症の原因と治療
関節の痛みにはリウマチも含まれますが、特に50代以上の女性を悩ませるのが、加齢が原因で起こる変形性の関節痛です。
変形性関節症の症状
初期の段階では、関節にダルさなどの違和感を感じる程度です。朝起きてスグに痛みを感じたり、何か動作をするときに痛みを感じたりするのですが、関節を動かしているうちに、その痛みは消えます。
しかし、次第に痛みが持続するようになって、歩くときに痛みが強くなります。膝の内側を中心に変形が起こるので、O脚になってしまうこともあります。
体重をかけずに安静にしていれば、痛みを感じないことも多いのですが、階段の上り下りや、立ったり座ったりするときに痛みを感じます。そして、そのまま放っておくと、だんだん悪化して関節の可動範囲が狭まって、膝を充分に曲げたり伸ばしたり出来なくなります。
さらに病気が進行すると、安静時でもズキズキ痛むようになります。そして、炎症が起きると、関節に水がたまって膝が腫れてきます。
変形性関節症の原因
変形性関節症の原因としては、下記のようなことが考えられます。
・加齢による筋力低下
・無理な労働による使い過ぎ
・激しいスポーツによる使い過ぎ
・肥満による荷重負荷
特に、高齢になると、クッションの役割を果たしていた軟骨が弾力を失ってきます。すると重さや筋力の圧迫は平均して関節に掛からなくなります。要するに、過重が掛かる方の軟骨がすり減ってしまい、関節面の骨に直接負担が掛かってしまって関節が変形するという訳です。
歩いているとき、膝に掛かる負荷は体重の2~3倍です。そして、階段を降りるときは、体重の6~7倍の負荷が掛かっていると言われています。そのため、加齢だけでなく、肥満や骨粗鬆症(骨がもろくなる病気)があると、症状が悪化する可能性が高まります。
膝が痛むようになると、外出するのがおっくうになりがちです。すると、運動不足から体重が増えて、さらに膝に負担が掛かり、症状が悪化するという悪循環に陥る傾向にあります。
変形性関節症の予防と治療
関節症の一番の予防法は、肥満にならないことです。食事以外にも、運動を行うことは、肥満防止だけでなく、筋肉の衰えを防ぎますので、関節にかかる負担を減らすことが出来ます。という訳で、関節症の予防には、膝や股関節の周囲の筋肉を鍛える筋トレがお勧めです。
- 肥満を避ける
- 正座・和式トイレを避ける
- 長時間の立ち仕事は避ける
- 重い物を持って歩かない
- 膝に負担の掛かるクツは履かない
- 毎日、お風呂に入り血行を良くする
- 膝は絶対に冷やさない
- 立ったまま行う体操などは無理をしない
- 座って行う運動で、膝まわりの筋力を強化
あと、お風呂にゆっくりつかって、血行を良くすることも予防となります。
変形性関節症の治療は、炎症を抑えたり痛みをやわらげるためのもので、消炎薬や鎮痛薬を使用します。腫れて熱を持っている場合以外は、幹部を温める温熱療法も有効です。運動すれば、血行が良くなり、筋肉をつけることで関節への負担が軽減されます。
膝を真っ直ぐ伸ばすことも、曲げることも出来なくなり、立っているだけでも痛いというレベルにまでなると、薬で痛みを消すことは出来なくなります。そうなると、一般的には人工の股関節や膝関節を入れる手術が必要になります。
ただ、手術が遅れると、筋肉が落ちてしまい、痛みが取れても歩行が難しくなることがあります。そのため、早めに専門医に診てもらい、適正な対処をすることがとても重要です。
という訳で、膝の痛みに関する情報をお届けしました。
最後にまとめますと、サプリなどに頼り過ぎず、肥満にならないように気をつけて、関節周辺の筋肉を付けることが大切ということです。