私の息子は、高校でサッカー部に入っていたのですが、喫煙が発覚し、退部することになりました。それは、学校側から退部を言い渡されたのではなく、私(親)の判断で退部させました。
要するに、息子が部活を退部した理由は、息子に原因があるのですが、退部に関しては、親である私が判断したということです。
私がそのような判断をしなければ、息子は大好きなサッカーを辞める必要はなかったのですが、私がどのような考えで退部させたのかなど、当時のことを思い出しながら書いていますので、もし良ければご覧になって下さい。
ご覧頂いて、子育てなど、何かの参考になれば幸いです。
喫煙してないと言った理由
私の息子は、小学生の頃からサッカーをしていました。そして、高校に進学しても当然のようにサッカー部に入部しました。息子はサッカーが大好きで、あまり勉強はしていませんでしたが、1年生でレギュラーになれたということもあり、練習は真面目にやっていたようです。
ただ、練習が終わったあと、息子を含む数名の部員が、学校近くの公園で喫煙をしていました。好奇心でそういうことをする高校生は多いですから、許されることではありませんが、特に珍しいことはではないと思います。
しかし、制服を着て公園で喫煙をしていれば、やはり目立ちますから、すぐに近所の人が高校に連絡をしたようです。そして、高校の先生たちが公園に行き、喫煙していた生徒を捕まえ、1人ずつ面談が行われました。
そして、タバコを購入したことを白状した部員は退学処分となりました。
しかし、息子は吸っていないと言い張っていました。親も呼び出され、そのようなことがあったことを伝えられたのですが、そのときも、息子は「一緒にいただけで吸ってはいない」と言い続けていました。
ただ、タバコを吸っている生徒たちと一緒にいたということで、1週間の自宅謹慎の処分を受けました。その謹慎期間中、息子に「本当に吸っていなかったのか?」ということを何度も聞いていました。そのときの会話は、下記のような感じでした。
という訳で、息子は、本当に吸ったうちに入らないと思ったので「吸ってない」と言ったのか、吸ったことを隠し通そうとしていたのかは分からないですけど、一口であっても吸った事実は認めた訳です。
ただ、その時点では、学校には吸ってないと言っていましたので、そのまま学校には吸ったことを黙っておけば、謹慎処分が解ければ、それまで通り学校にも行けますし、部活動も再開することが出来ます。
しかし、一口であったとしても、息子が喫煙したことは事実です。だから、私としては、息子に責任を取らせないことは、息子のためにならないように思えてなりませんでした。
喫煙で退部させるべきか?
友達に少し吸わせてもらった程度なら、常習犯じゃないので、大目に見てあげたら…という意見も少なくないかとは思います。
しかし、大好きなサッカーが出来なくなるほどのことをした責任を取らせずに放置してしまうと、責任というものに対する意識が育たないのではとも思いました。
だから、もっと大きな責任から逃れようとする人間になってはいけないですし、真っ直ぐな人間になってもらうためにも、高校に報告すべきか迷いました。
正直なところ、息子からサッカーを奪うことは、親としてもかなりの抵抗がありました。
ただ、それ以上に、息子に責任の取らせ方を理解させて、「やってはいけないことは、絶対にやってはいけなんだ」ということを分からせたい気持ちも強くありました。あと、タバコを購入した生徒は退学させられた訳ですから、息子だけ責任逃れさせることは、やはり出来ないとも思いました。
という訳で、私が最終的に出した結論は「学校に報告する」ということでした。
謹慎処分が解けて、最初に登校する日は、親も一緒に行くことになっていました。そして、そのとき先生に事実を説明し、退部届けを提出しました。息子としても、サッカーが出来なくなる事実は、受け入れがたかったかと思います。
しかし、それが息子に出来る責任の取り方だと、しっかり理解してくれることを信じました。今考えてみると、あのときの私の判断は正しかったのかは分かりません。でも、息子は何かを理解し感じ取ってくれたと思っています。
ちなみに、後で分かったことですが、息子は再入部することを全く諦めていなかったようでした。
クラブに再入部させるべき?
息子は、クラブを退部しても、真面目に学校生活を送っていれば、そのうち再入部させてもらえる可能性があると思っていたようです。だから、サッカー部の顧問の先生やコーチには、再入部させて欲しいと、何度も頼んでいたようです。
コーチはOKしてくれそうな感じだったらしいのですが、顧問の先生は認めてくれなかったようです。ただ、息子にしてみれば、コーチがOKの雰囲気なので、そのうち再入部できるだろうと思っていたようです。
いずれにしましても、再入部に関しては、私は何も言わず、先生たちの判断に任せることにしました。しかし、1年生から2年生に進級しても、再入部は認められませんでした。そして、再入部できないまま2年生が終わりました。
でも、3年生になったとき、顧問の先生が再入部を認めてくれました。
その代わり、レギュラーではなく、1年生と一緒にゼロから始めろと言われたようです。そのため、1年生たちと一緒に、グランドの整備をしたり、道具の手入れなどもしていたようです。
ただ、息子としては、何とか這い上がって、高校生として最後の大会に出場したいという気持ちが強かったようで、かなり一生懸命練習に励んでいたようです。
私の想像では、息子はサッカー部を退部して、1年半ぐらいのブランクがあった訳ですから、3年生になってから猛練習をしたところで、レギュラーになるのは不可能に近いと思っていました。そこそこ強い学校でしたから…。
しかし、息子はレギュラーを勝ち取りました。全国大会に出場するための、地区予選までにレギュラーになれたのは奇跡に近いかと思います。その点は、よく頑張ったなと思います。
そこまで頑張れたのは、1年生のときに、責任から逃れなかったからではないかと思ったりもするのですが…。
最後に
地区予選では、息子の高校は1回戦で敗退しました。でも、息子にとっては、高校生最後の年に、サッカー部のレギュラーとして、地区予選に出場できて良かったと思います。
息子は、高校1年で、強制的に退部させられて、1年半後に再入部を認められるという苦い経験をした訳ですけど、結果的にいい経験をしたのではないかと思っています。
ちなみに、息子は高校を卒業した後、美容師になるための専門学校に入学しました。しかし、19歳のとき、彼女との間に子供が出来てしまったので、専門学校を中退し、すぐに就職して結婚しました。
親としては、専門学校に200万円以上ものお金を支払っていたのに…と、当時は思いましたけど、息子は真面目に働いて家族を養っています。ちなみに、息子は不動産関係の営業をしていて、営業成績はトップクラスのようです。
結局、何が正しかったのか、何が悪かったのかは分かりませんが、色んな経験を経て、立派な人間になってくれることを祈っています。