いじめによる鬱(うつ):いじめが無くなれば改善するの?
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どうもどうも!ユウポンです。

私の弟の奥さんは、職場でいじめに遭い「うつ」になりました。

そして、最終的には仕事(公務員)を辞めてしまいました。奥さんは、安定した収入を得るために、難しい試験を受けて公務員になったのですから、本当は辞めたくなかったはずです。

それでも辞めてしまったのは、いじめから解放されたいという思いもあったとは思うのですが、うつのせいで、仕事に行く気力が無くなってしまったようです。

弟から、その話を聞いて、退職する前に「いじめ」がなくなっていれば、退職せずに済んだのかも知れないという考えが、私の脳裏を横切りました。

でも、いじめが無くなったとしても、果たして「うつ」は治るのでしょうか?

その辺りのことを、弟の奥さんの実例を交えて、お伝えしたいと思いますので、どうぞ参考になさって下さい。
 


※今回の記事中の情報は、下記の文献を参考にしています。

【参考文献】  

①「精神病」の正体 著:大塚明彦(幻冬舎メディアコンサルティング)
②医者なし薬なしでいつの間にか「うつ」が消える本 著:宮島賢也(ベストセラーズ)
③「うつ」がいつまでも続くのは、なぜ? 双極2型障害と軽微双極性障害を学ぶ 著:ジム・フェルプス(星和書店)


 
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いじめが無くなれば、うつは改善するの?

いじめが原因で、うつになってしまった場合、いじめが無くなれば、うつは改善するのではないかと考えますよね。実際、いじめが無くなれば、イヤだったことから解放される訳ですから、うつが改善する可能性はあると思います。

でも、いじめが無くなっても、うつが改善しないことも多いのです。

例えば、毎日ゲームをしていて、視力が悪くなったとします。それで、ゲームは一切しないようにしたとしても、視力が回復する訳ではないですよね。

要するに、視力が悪くなった要因が無くなったとしても、視力は元には戻らないということです。

それと同じで、いじめが無くなったとしても、一旦うつになってしまうと、うつ状態から抜け出せなくなってしまうことは少なくないのです。

私の弟の奥さんは、職場でいじめに遭って退職しました。弟は、うつになった原因が「いじめ」なので、退職すれば、うつは改善するだろうと安易に考えていたようです。

でも、弟の奥さんは、退職してから半年ぐらいは「うつ」から抜け出せないままでした。上記で説明した通り、うつになる要因(いじめ)が無くなっても、うつは治らなかった訳です。

という訳で、いじめが無くなっても、うつが改善するとは限らないということです。

ちなみに、当時、弟の奥さんは「うつ」のせいで、被害妄想が激しくなっていたようです。

だからだと思うのですが、親戚が心配をして、奥さんに電話をすると、親戚に非常識なことを言って、親戚を怒らせるようなことがしばしばありました。

それで、親戚との人間関係が悪くなって、弟も困っていたようです。

奥さんが、相手の気分を害するようなことを言ってしまったのは、うつのせいで、常識的な判断が出来なかったからだと思います。おそらく、相手の気持ちを察することが出来ないほど、心の余裕がなかったのでしょうね。

いずれにしましても、弟は、奥さんが「うつ」になったのは、いじめが原因だと思い込んでいた訳ですけど、本当に「いじめ」が「うつ」を誘発する原因になるのでしょうか?

次の章では、その辺りのことについて説明させて頂きますね。

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いじめを受けると、うつになる可能性があるって本当?

いじめを受けると、仮りに問題が解決したとしても、心の傷は深く残ってしまい、その後遺症として「うつ状態」になることは珍しいことではありません。

なぜ、そんな風になってしまうのでしょうか?

いじめを受けると、職場や学校へ行くのがイヤになりますよね。そして、家から出ることが出来ず、部屋に閉じこもったままになり、ふさぎ込んでしまいます。全ての人がそうなる訳ではないにしても、そのような状態になっても不思議ではありませんよね。

そして、しばらくすると、することがなくて暇をもて余すようになります。それで、テレビやゲームにハマってしまうこともあります。逆に、ボォ~っとしたまま何もせず、1日を過ごす人もいるでしょう。

でも、テレビやゲームで、心が癒される訳はありません。

癒されないどころか、職場や学校に行かない焦りなどが出て来て、ノンビリ過ごしているように見えても、心は余計に沈んでいきます。しかも、いじめを受けたことによる心の傷は、想像以上に深いものなので、下記のような悪循環を生みだします。

■ うつを生み出す悪循環

  1. 心の傷が深いと、人間の心はもろくなります。
  2. 心がもろくなると、より傷つきやすい体質に変わっていきます。
  3. 傷つきやすい体質になると、何でも悪い方に考えてしまいがちになります。

 
このような悪循環が心の中で起こるため、いじめを受けると「うつ」になりやすくなるという訳です。

当然、全ての人がうつ状態になる訳ではありません。しかし、うつになってしまう人が少なくないのも事実です。私の弟の奥さんも、そのような悪循環に陥って、うつになっていったのだと思います。

いずれにしましても、うつの状態をそのままにしておく訳にはいかないですよね。やはり、何らかの手段をもって、うつを改善させていく必要があります。

それでは、以下の章で、うつの改善策を見ていきましょう。

うつを薬で改善させることは出来るの?

うつは心の病気です。専門医に診察してもらうと、「抗うつ薬」を処方してもらえます。抗うつ薬とは、脳内の伝達系の神経に作用する薬です。その薬を使うと、脳内環境が調整されてますので、「うつ」が改善されやすくなります。

ちなみに、その抗うつ薬を服用すると、大抵1~2週間ぐらいで効果が現れてきます。

でも、治ったと思って抗うつ薬の服用をやめてしまうと、脳内環境を自力で調整することが出来ない状態なので、再発する可能性が非常に高いんです。

ですから、うつを再発させないために、医者からは半年ぐらいは服用を続けるように指導されます。なお、何度も再発する場合は、もっと長い期間「抗うつ薬」を服用することになります。

ただ、薬は、効果が強力であればあるほど、副作用も強くなるのが一般的ですよね。

抗うつ薬の副作用としては、「口が渇く」「便秘などの排尿障害」「眠くなりやすい」「胃腸障害」「頭痛」などが有名です。

いずれにしましても、薬の副作用を嫌って、薬を飲むことに抵抗を持つ人は少なくありません。そこで、「薬を使わずに、うつを改善することが出来るのか?」という問題について、次の章で説明させて頂きますね。

薬を使わずに「うつ」を治せるの?

まず、最初にお伝えしておかなければいけないのは、「薬を使わなくても、うつを確実に治すことが出来る」とは言い切れないということです。

でも、薬が嫌いな人は、薬を使わずに「うつ」を治したいと考えますよね。その場合、周囲の人の協力が絶対条件となります。そこで知っておかなければいけないことは、うつは心の病気ですから、心には心で接することが大切だということです。

上記の章でも説明しましたけど、うつになると心が深く傷ついています。ただ、周囲の人達が「うつ」を全く理解していないと、ヤル気の問題だと片付けられ、心ない言葉を投げかけられることも少なくありません。

そうなると、ますます孤独になり、うつ状態から抜け出すことは出来ません。

しかし、うつを理解している人が、深く傷ついた心に寄り添ってくれたり、気持ちを分かってくれたり、一緒に闘ってくれると、うつの人は「助けてもらった」という体験をすることになります。

すると、それまで孤独から抜け出せず、どうしようもなかったのに、「人を信じる」という一筋の光明を見いだすことが出来ます。孤独にさいなまれて、どん底の状態でいるのと、自分はひとりぼっちじゃないと思えるのとでは、生きていく上で雲泥の差があります。

うつになって、心を深く傷付けていても、信頼できる人間関係を築くことが出来れば、一歩ずつ前に進んで行けるようになります。

そのような信頼関係を結ぶことが出来れば、一気に回復させることは難しいとしても、将来に渡って、その人の生きる力を支えることに繋がっていきます。その信頼関係を結ぶのは、親・兄弟・親戚・友人・上司・先生など、誰でも構いません。

心が通い合っているという実感を持つことが出来れば、人は安心できるものです。それが「うつ」を改善させるキッカケになるのです。

そして、少しずつ社会生活に馴染んでいくことが出来れば、うつから脱する可能性は充分にあると言えます。

ただ、一向によくなる気配が見受けられない場合は、やはり専門医と相談の上、薬を使う方法に頼ることを検討する必要があります。

最後に

いじめによって「うつ」になったからといって、いじめが無くなれば、うつが改善する訳ではないということをご理解いただけましたでしょうか。

ちなみに、うつが改善しても、再発することは少なくありません。

一度うつ状態になると、50%の人が再発すると言われています。そして、再発した場合は、80%の人が再々発すると言われています。

要するに、一度うつ状態になると、何度も繰り返してしまう可能性があるという訳です。うつになって、心に負った傷は、周囲の人たちが想像する以上に深いものなのです。そのため、回復するまでにかなりの時間を要するものなのです。

そのため、うつを理解していない人から、不登校・引きこもり・ニートなどと呼ばれて、無神経に「しっかりしろよ!」と言われ続けても、心の傷が深ければ、本人はどうしようもないのです。

ですから、うつになった人を救済するために、「うつ」というモノに対して、みんなが理解できている社会を作り上げないといけないですね。

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