高齢者と見なす年齢が変更されそう!?その理由はコレです!

どうもどうも!ユウポンです。

日本は、高齢化社会と言われるようになってきましたけど、何歳になれば高齢者と呼ばれるのだろうと思っている人は多いのではないでしょうか。

私も、いずれは高齢者と呼ばれる訳ですから、気にならない訳はありません。

そこで、いったい何歳からが「高齢者」という枠に入ってしまうのか調べてみましたので、どうぞご覧下さい。

なお、本題に入る前に、国によって高齢者と見なす基準の違いについて、少しだけ触れておきますね。

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国による認識の違いは?

先進国では、65歳以上を高齢者とするのが一般的になっています。その根拠になっているのが、1956年に国連から発表された白書です。

その白書には、「高齢化した人口」というのは、65歳以上の割合が人口の7%以上になった場合とされていました。

そのため、現在でも、国別の高齢者の割合を調べる場合、65歳が基準になっています。

高齢者は、中年を越えた人を指すのだと思いますけど、それぞれの国の平均寿命によって、中年と見なす年齢は違ってくるハズですよね。だから、高齢者と見なす基準は、国によってかなりの違いがあるのではないでしょうか。

下記のランキングは、男女を合わせた国別の平均寿命のランキングで、世界保健機関(WHO)から発表されたモノを元にしています。

国別の平均寿命ランキング(2016年)

第1位:83.7歳…日本
第2位:83.4歳…スイス
第3位:83.1歳…シンガポール
第4位:82.8歳…オーストラリア
第4位:82.8歳…スペイン

第179位:53.3歳…コートジボワール
第180位:53.1歳…チャド
第181位:52.5歳…中央アフリカ共和国
第182位:52.4歳…アンゴラ
第183位:50.1歳…シエラレオネ

 
1位の日本と183位のシエラレオネを比べると、33.6歳もの差があります。これだけの差があると、高齢者と認識する感覚は、かなりの違いが出て当然でしょうね。

シエラレオネでは、50歳になれば多くの人が亡くなる訳ですけど、日本で50歳といえば、高齢者と呼ぶには若すぎる年齢ですよね。50代で結婚して子供を産む人もいるぐらいですから…。

という訳で、先進国の間では、65歳以上を高齢者と見なすことが一般的ですけど、発展途上国の間では、そうじゃないと判断して良いのではないでしょうか。

上記のランキングを元にすると、コートジボワール以下の国では、平均寿命が50代なのですから、65歳を基準にすることなんて出来ないのですから…。

それでは、次の章で日本の事情について見ていきましょう。

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高齢者の定義の見直し

2017年1月5日、日本老年学会と日本老年医学界が記者会見を開いて、高齢者の定義を75歳以上にすべきとする提言を発表しました。

日本では、1964年までは60歳以上を老年人口としていました。要するに、60歳以上が高齢者という判断をしていた訳です。

ただ、これは法令で定められたものではなく、国税調査での話です。そして、1965年になると、国税調査による老年人口は、65歳以上が対象とされるようになりました。

話を元に戻しますが、日本老年学会と日本老年医学界が75歳以上を「高齢者」と定義する提言した理由は、下記の通りです。

◇ 75歳以上を高齢者と提言した理由は?

・65歳以上で、脳卒中などの治療を受けている割合が低下した。
・身体能力をみる指標の歩行速度などが、上昇傾向にある。
・70代の知的機能の検査で、平均点が10年前の60代に相当している。

 
あと、2014年に行われた内閣府の意識調査で、「高齢者とは、何歳以上の人のことだと思うか?」という質問を60歳以上の人にしたところ、下記のような結果が出ています。

◇ 高齢者とは何歳?

・75歳以上:28%(前年より13ポイントアップ)
・65歳以上:6%(前年より12ポイントダウン)

 
要するに、高齢者だと思うのは「75歳以上だ」という人が増えて、「65歳以上が高齢者だ」と思う人が減ったということです。

という訳で、一般的な感覚も、65歳を高齢者とみなさない傾向が強まってきているという訳ですね。

そのため、日本老年学会と日本老年医学界の提言では、75歳以上を「高齢者」ということにして、65~74歳をを「高齢者の準備期」ということで、「准高齢者」と位置づけました。

その提言は、あくまで医学的な立場から検討したということですけど、日本の平均寿命を見ても、下記の通りかなりの変化がありますから、高齢者の位置づけを見直すタイミングに来ていたのでしょうね。

平均寿命の推移(日本)

・1950年…男性:58.0歳 女性:61.5歳
・1955年…男性:63.6歳 女性:67.7歳
・1960年…男性:65.3歳 女性:70.1歳
・1965年…男性:67.7歳 女性:72.9歳
・1970年…男性:69.3歳 女性:74.6歳
・1975年…男性:71.7歳 女性:76.8歳
・1980年…男性:73.3歳 女性:78.7歳
・1985年…男性:74.7歳 女性:80.4歳
・1990年…男性:75.9歳 女性:81.9歳
・1995年…男性:76.3歳 女性:82.8歳
・2000年…男性:77.7歳 女性:84.6歳
・2005年…男性:78.5歳 女性:85.5歳
・2010年…男性:79.5歳 女性:86.3歳
・2015年…男性:80.7歳 女性:87.0歳

(注:1970年以前は、沖縄県を省く値)
(参考:厚生労働省のデータ)

 

という訳で、高齢者という言葉に対して、年齢的なイメージが一新された訳です。日本老年学会と日本老年医学界が行った記者会見で、大内グループ座長は、下記のようにコメントしていました。

「高齢者の定義を変えることで、社会福祉などがネガティブな方向に動いて欲しくない」
「あくまで医学・医療の立場からの提案で、国民がこれをどう利用するかは別の問題」

ただ、上記の提言の影響は、今後は色んな方面で出てくるような気がしますよね。年金も潤沢にある訳でもないですし…。

最後に

いかがでしたでしょうか。65歳から高齢者と見なすのか、75歳を高齢者と見なすのか、人によって意見は違うと思います。

ただ、1950年と2015年を比べると、平均寿命が約20年も伸びているのですから、高齢者と見なす年齢も違ってきて当然かなと思います。

高齢者と見なす年齢を変えることによって、政府に都合の良いように利用されかねないという懸念もありますけど、元気な高齢者が増えてきているのも事実ですから、日本老年学会と日本老年医学界からの提言は、世の中の自然な流れとして受け止めるべきなのでしょうね。

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