犬に限らないことですけど、ワクチン接種は病気を予防するために、広く一般的に行われているものです。
ただ、ワクチンを摂取しなくても大丈夫だろうという考えの人や、法律で義務づけられているワクチン以外は、副作用が怖いのでやめておこうという考えの人も少なくありません。
犬の場合、狂犬病ワクチンや混合ワクチンなどがありますが、混合ワクチンを愛犬に摂取させない人もいれば、定期的に摂取している人もいます。人によって違うのですから、いったい、どちらがいいのか分からなくなってきますよね。
という訳で、どう判断すれば良いのかをみていきましょう。
犬のワクチン接種の要否
犬の混合ワクチンは、3種混合~11種混合まであるのですが、病院から何も言われてないので、愛犬に混合ワクチンを接種させてないという人は少なくありません。
あと、ワクチンも薬ですから、副作用が怖いので摂取しないという人もいます。
ちなみに、ワクチンによる副作用には、「熱が出る」「顔が腫れる」という一般的なモノから、アナフィラキシー・ショックような死亡に至る副作用もあります。
犬にワクチンを接種させて、副作用が起きるのは約1%ぐらいです。なお、その1%のうち、5.5%が死に至ると言われています。
予防接種を受けて、死亡する可能性があると知れば、その確率が非常に低いとしても、誰でも怖くなりますよね。
では、なぜ混合ワクチンがあるのでしょうか?
それは、犬がワクチン摂取で死に至る確率より、ワクチン接種をせずに、感染症にかかる確率の方がはるかに高いからです。感染症は色々ありますが、軽度のものから死亡に至るようなものまで様々です。
- 犬ジステンパー
- 犬アデノウイルス(1型)感染症(犬伝染性肝炎)
- 犬アデノウイルス(2型)感染症(犬伝染性喉頭気管炎)
- 犬パラインフルエンザ
- 犬パルボウィルス感染症
- 犬コロナウィルス感染症
- 犬レプトスピラ症(カニコーラ型)
- 犬レプトスピラ症(コペンハーゲニー型)
- 犬レプトスピラ症(ヘブドマディス型)
- 犬レプトスピラ症(オータムナリス型)
- 犬レプトスピラ症(オーストラリス型)
(※注意)
混合ワクチンを接種する場合、同じ混合ワクチンでも、製薬メーカーによって、予防できる病気の種類に違いがある場合があります。それらの詳細は、ワクチンの接種証明書に添付されているシールで確認することが出来ます。
どのワクチンが犬に必要なのかは、犬の年齢や生活環境によって違ってきます。
例えば、行政から、ここは感染症の流行地域だと指摘されている場合もあれば、そのような指摘もなく、ほとんど家から出さないという飼い方をされている場合もありますので、それらを同じ基準で判断することは出来ません。
あと、幼犬やシニア犬という年齢の違いも、判断基準が違ってきます。
という訳で、全ての犬が、必ずしも11種類のワクチンを接種しなければいけないという訳ではありません。
ただ、どの地域であっても、どのような飼い方をしていても、感染症にならないとは言い切れません。そのため、かかりつけの病院の獣医師とよく相談し、最終的には飼い主さんが判断するしかないのです。
しかし、病院としては、混合接種をしてくれれば、お金が儲かります。そのため、中には、何がなんでも混合接種を受けさせようとする獣医師がいないとも限りません。
逆に、1年に1回のワクチン接種を廃止して、3年に一度という風にしている獣医師もいます。
まだまだ、一般的にはなっていないことですが、日本だけではなく、アメリカなどでも、1年に1回ペースのワクチン接種は見直される傾向にあります。
そのため、ワクチン摂取のペースとしては、生後2ヶ月で1回、生後3ヶ月で1回、そのあとは、1年に1回摂取し、あとは3年に1回ペースで摂取するのが良いと唱える獣医師もいます。
獣医師によって判断が違うのですから、飼い主さんが判断するのは難しいですよね。
ただ、全く摂取しないというのは、やはり感染症にかかる可能性を否定できませんから、1年~3年に1回はワクチンを接種するべきかと…。
あとは、信頼できる獣医師を見つけて、判断をゆだねるしかありません。信頼できる獣医師を見つけるのは、やはり近所の人たちの評判が一番です。
公園などへ行けば、愛犬を散歩させている人が多いですから、愛犬同士が近寄ったときなどをきっかけに、飼い主さんに話しかけ、愛犬仲間を増やすのがいいでしょう。
という訳で、ワクチン摂取は必要ないと思っていた人もいるかも知れませんが、全く外出させていなくても、空気感染する場合もありますので、ワクチン接種は必要ということです。
ただ、ワクチン接種は受けるべきですが、摂取すべきワクチンや、摂取するするやペースは、獣医師と相談するしかないということです。
次は、恐ろしい狂犬病についてみていきましょう。
狂犬病ワクチンの摂取は義務
日本の場合「狂犬病予防法」という法律があります。この法律では、生後90日を過ぎた犬は、狂犬病ワクチンを1年に1回のペースで接種することが義務づけられています。
狂犬病は、犬だけでなく、全ての哺乳類に感染すると言われています。
しかも、感染の疑いがある場合、ワクチンを連続して摂取すれば、発症を抑えることは出来るとは言われていますが、感染すれば、ほぼ100%死に至る恐ろしい感染症です。
日本では、1956年に発症した人がいます。人間以外では、1957年にネコが発症しています。しかし、それ以降の発症例はないとされていて、現在、日本では狂犬病は無いとされています。
ただ、海外の狂犬病流行国で犬に噛まれて、日本に帰国してから発症した事例はあります。それは、1970年にネパールから帰国した人と、2006年にフィリピンから帰国した人です。
ちなみに、私(当ブログ管理人)の子供は、近所の飼い犬に2回も噛まれたことがあります。一度は、頭から血が出るほどだったのですが、私の子供は狂犬病になることはありませんでした。
これは、法律によって、狂犬病ワクチンの接種が義務づけられているので、ワクチン摂取が徹底されているおかげですね。
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